2011年3月18日

楽しく飲んで被災地を支援 #smileat

まさか店ごと引っ越しをするとは夢にも思わなかった。この一週間でいろいろな決断と行動をしている。そして、また21日(月)には、パクチーハウスを経堂に戻す。

経営的には、三重四重に危機的状況が来ている。でも、一つの危機には焦っても、あまりに重なると却って冷静になるのか。災害による直接的な影響を受けている方々に比べれば、行動できる自分たちははるかにマシだと思えるからかもしれない。とにかく、一つひとつやるだけだ。

まいておいた種は芽が出る。これは震災の前後にかかわらずだ。だから、やはり自粛よりも行動が必要だと思う。実際、震災の前にまいておいた種が、深まる危機を救うための芽を出してもいる。「大変だよねぇ」と言っていても何も始まらない。具体的にできることをやる。流行り言葉の「不謹慎」も、信念を貫いている限り無視する。

地震が起きたのは金曜日だった。当社は3日間営業をストップした。小さな飲食店にとって週末をすべて失うのは致命的だ。でも、だからといってそれで本当の意味で生命が失われるわけではない。身内の安否が不明なのに店のことを考えてくれるスタッフを前に、とにかく店を開けたいと思った。そして、たまたま冬眠させていた姉妹店を利用することに決めた。

急な対応で別の場所で店を開けて、抜本的に問題が解決することはありえない。でも、僕が飲食店の存在意義としてあるべきだと思っている"交流"や"コミュニケーション"そしてそれによる"笑顔"や"安心感"が目に見えることに喜びを感じている。「来てよかった!」という言葉の意味を、いつも以上に感じている。

また、時間が許す限り、いろいろな店に顔を出すようにしている。閉めたままの店も多いが、開けている人も、話を聞くとやはり困っている。悩んでいる。でも、自分たちの仕事を通じて社会の機能を回復させようと必死だ。

親しい飲食店関係者と話すときは、気を許して「どうしようもないよね」と本音が出ることもある。でも、小さな笑顔の蓄積が、自社の結果に出なくても、社会の結果に確実に反映されることはよくわかるので、とにかく営業はしようと思っている。その上で、世の中の気分を上向かせるためのアイデアを毎日毎時毎分出しあっている。

「#smileat プロジェクト」はその結果できたものだ。飲食店に来てもらうことを通じて、被害を受けていない、または被害の少ない人たちの心を明るくし、同時に、被害に苦しんでいる人を支援できる仕組みをみんなで提案し、実行しまくろうというもの。

営業していること自体を"不謹慎"と責められた飲食店もあるそうだ。「お酒を飲むこと」は今は"不謹慎"だからと止める向きも多い。外食は楽しみでもあるから、楽しむこと自体を"不謹慎"とする風潮もあったりする。でも、本当にそうだろうか。買いだめしたカップ麺を暗い部屋の中ですすることで世の中はよくなるだろうか。うじうじしてても何も始まらない。政府も、支援団体も、企業も、それぞれの立場で最善を尽くしていくだろうが、それに甘んじているだけでは世の中は動かない。大事なのは一人ひとりの行動だ。

飲食店をやっている僕たちは、営業という行為をすることが最も今効果のあることだと信じている。レストランの語源は「元気を回復させる」という意味のラテン語"エストレート"だそうだ。「#smileat プロジェクト」には、レストラン本来の意味を追及するために頑張る飲食店が参加し、それぞれ知恵を絞っている。

これを読んだみなさん、飲食店に行って、楽しんでください。多くの人と話し、明るい気持ちになって、それぞれのプロフェッションで行動してください! 日本を復興させ、3月11日よりもより素晴らしい環境にするのは僕たち一人ひとりなのだから。

#smileat プロジェクト パクチーハウス東京の取り組み
・追パクによる被災地支援
 いつもは完全無料の追パクにあえて義援金をつけてお客さんと店で被災地を支援→詳細
・ファーストドリンクから311円寄付
 近々発表。複数の飲食店が加わる予定の寄付プロジェクト。最初の一杯のうち、311円を寄付しようというもの。お客さんの数×311円を被災地に届けるということになります。311円は震災の始まった3月11日を忘れないようにするためという意味で設定しました。

関連リンク
#smileat プロジェクトのウェブサイト
食べて、笑って、危機を乗り切ろう!キーワード「 #smileat 」で飲食店と一緒に元気になろう。(greenz.jp)
猪瀬氏「買い占め自粛」を呼びかけ 「部屋在庫」よりも「外食」を(ガジェット通信)
震災の打撃に立ち向かうレストラン業界(The Wall Street Journal)
都心の飲食店が連帯してプロジェクト-余震・停電への不安緩和目指す(六本木経済新聞)

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