2009年11月30日

2009年11月の読書記録

●大林豁史『外食・非常識経営論―今の売上で、2倍の利益を上げる方法』(ダイヤモンド社、2007)
非常に参考になる本だと思った。外食業界の常識とは違うことをやっている。しかし、おかしなことをやっているというよりは至極まっとうであると思った。僕も店を作ると決めて最初に思ったのは外食の常識は必ずしも一般的な常識と合致していないということ。僕は一般的な(というか僕独自の、笑)常識に従ってやってきた。「非常識経営論」の「非」が、表紙では裏文字になっているところにそういう思いが込められてるのではないか。外食経営者必読。

●塚越寛『いい会社をつくりましょう』(文屋、2004)
経営の手法や戦術は柔軟に変わる必要があるが、経営の哲学はいつの時代にも変わるものではない――。「いい会社をつくりましょう」というシンプルな社是は、長期的な視点に立った無理のない成長への確信から来ている。実際訪れて空気感がすごくいいところだったなぁ。健全に経営者として生きていくためには、ビジネス書の合間にこういう本を読んでおくべきと思った。

●丸元淑生『システム自炊法―シングル・ライフの健康は、こう守る』(中央公論社、1987)
タイトルは独身者向けの健康管理法だが、料理の基本・必須栄養素などについて非常に分かりやすく書かれている。外食で摂りすぎているものを減らすだけでなく、現代人に必須なミネラルなどを効果的に摂る方法などもためになる。今月から始めた手食カレー業態「Bij @ paxi house」は、この本に書かれている「必要なもの」を補う手段の一つとなりえそうだ。

●雁屋哲『美味しんぼ(24)』(小学館、1990)
カレー特集。p.86-88は必読。

●柳澤大輔『アイデアは考えるな。』(日経BP社、2009)
「人はある考え方を公言するようになると、それまではそうした考えを持っていなくても、その考え方に従って行動する傾向が際立って強くなる」。面白法人というニックネームをつけた同社はまさにその好例。すごい企画を考える人の裏にはすごくない企画がたくさんあり、だからすごくないアイデアをたくさん出しまくろうという姿勢も参考になる。

●宮台真司『日本の難点』(幻冬舎、2009)
日本の論点を一人で書く、というところから本書が始まっているように、議論は多岐にわたっている。著者自身の主張の強さは分かるが、全体としては理解しにくい。いくつかの事例の選び方にも疑問が残った。

●小川浩『仕事で使える「Twitter」超入門』(青春出版社、2009)
twitterについて現状がよくまとめられている。将来像についてはどうでしょう。歴史の浅すぎるメディアdから...。結構なへヴィユーザーでありながら、ユーザーが世界で2億人を超える来年ぐらいに、メディアとして面白くなくなるかもなと僕は思っているので...。


⇒過去の記録:
09年|12|11|10987654321
08年|121110987654321
07年|121110987654321

2009年11月28日

「美味しい社会貢献」プロジェクト

元ワタミの方々が経堂で始めた「美味しい社会貢献」プロジェクトの2回目の宴に先日参加した。

メニューは福祉施設などの授産品で構成。全国各地から取り寄せて実行するためには、多大な労力と努力が要ることと思う。メニューを見ただけでもすごい。社会貢献の敷居を下げるための偉大な活動だと思う。

ちなみにメニューはこんな感じ:

■サラダ菜の彩りサラダ
・サラダ菜 砧工房/キタミクリーンファーム:世田谷区

■ひとくちお好みポテト
・マッシュポテト/サラダ菜:砧工房/キタミクリーンファーム(世田谷区)
・九州志摩の自然塩:玄海学園(福岡県)

■蒸し鶏(岩手県産)のネギ塩ダレがけ
・九州志摩の自然塩:玄海学園(福岡県)

■青大豆のおから入ヘルシーシュウマイ

■椎茸肉詰め&温野菜
・挽き肉:フレンズ(北海道)
・おから:とうふ工房 大谷口の家(板橋区)
・シイタケ:障害者の働く場 あぐり(千葉県)
・かぼちゃ(雪化粧)/じゃがいも(きたあかり):のぞみ園(世田谷区)
・九州志摩の自然塩:玄海学園(福岡県)

■塩ちゃんこ鍋&雑炊
・挽き肉:フレンズ(北海道)
・とうふ:とうふ工房 大谷口の家(板橋区)
・ほうれん草/里芋:障害者の働く場 あぐり(千葉県)
・九州志摩の自然塩:玄海学園(福岡県)
・小江戸うどん 川越第2いものこ作業所(埼玉県)

■黒胡麻入り豆腐 & マドレーヌ
・黒ごま入り豆腐:とうふ工房 大谷口の家(板橋区)
・マドレーヌ:もくもく第二(神奈川県)

■ドリンク
・ワイン「2007 こころぜ(ロゼ)」、2007足利呱呱和飲(白)、2007農民ロッソ」
・焼酎「もやいの里」「野の花」:第一野の花学園(福岡県)


タイトルにもある通りで、参加者は社会貢献という言葉に興味のある人、すでにそういう観点から事業を行っている人が多かった。最近は、社会貢献をする起業家の養成講座などもあるようだ。

僕が会社の構想を練っていた3年前は、社会貢献という言葉はまだ一般的ではなかった。しかし、事業のあり方を考えながら、その言葉を意識した。そして、その言葉を使う必要はないのではないかと思った。今でもそう思っている。短期的に利益を上げておしまいならともかく、事業を永続させるとしたらそれが社会のためにならなければ支持されないだろうからだ。

参加しているみなさんの話を聞いて、3年前に会社を作ると決めたときに考えたことをたくさん思い出した(忘れてたという意味ではなく、そういうことをやろうとしている人がいるんだと感慨深かったというのに近い)。僕は自分の中に"旅人が平和を創る"という確信があって、しかし、それをどのように表現し事業化すればいいか考えた末、(旅)人が集まる場所を創りたいという思いと、事業を早く軌道に載せるという観点から、未経験の飲食業でスタートすることを選んだ。

3年前に考えたことは、もちろん今でも自分自身の課題である。しかし、ほとんど進めることができていないのは非常に歯がゆい。世の中は確実に動いている。これから動くためにも、昔のノートから抜粋しておきたい:

・お金をかけない寄付の仕組みを作る
 「寄付」の持つ経済的、心理的障壁をなくす、できれば負担もなくす
・NGOが"上場"する仕組みづくり
 組織の透明性を高め、関わる人を増やせる
 企業が投資できる―配当は「関わる団体の実績」
・NGO紹介の場、広報支援、ピースジャーナリズムの確立
 情報発信力を高める、ポジティブな変化を促すメディアづくり
・キャリア開発コンサルティング
 大企業が書類段階で落としたがるキャリアの空白期間を持つ人や頻繁に転職してきた人の面白さ発掘
・学校への講師派遣
・志ある人が簡単に起業できるパッケージ(FC)づくり  etc...

一部でも興味ある人は声かけてください。また、すでにやっているひとがいれば教えてください。会社を作ってから2年4か月の間に他にもいろいろ思いついたことはありますが、まさに原点として持っていたこれらの発想が、誰の手でもいいので実現に至るといいな...。

2009年11月24日

2周年パーティシリーズ、ありがとうございました

パクチーハウスの2周年を記念した5日間連続パーティシリーズが無事終了した。11月から定休日をなくし、社員の休みを増やしてから最初の大きなイベント! 来てくれた皆さん、本当にありがとう。そしてタイとなスケジュールをこなし、休みの日も参加者として来てくれたスタッフ一同にも感謝したいです。

最終日は山下シェフが休みの日にもかかわらず、いつもにないメニューを出すというチャレンジをしたのだが、期間中の最大客数を達成し、笑顔があふれたのが印象的。"なんとか"こなせたので皆自信がついただろう。そしてシェフの機転の利かせ方を学びたいとも。それぞれその日の役割を明確にして、レベルアップして行くぞ~。僕らはやっと2年の経験を得た。

久しぶりに朝から厨房で調理をした。ペルー料理で代表的なセビーチェとアロス・コン・ポジョを作ったのは実は僕です。セビーチェはとくに難しいと思ったが、多くの人からお褒めいただき、嬉しかった!

2009年、33回のパーティが終わった。来月もう3回(20日、24日、29日)やって今年はおしまい。しかし、来週から週1ペースでPublic'S'peaceにおける「小さなパーティ」(2-8名程度)を開いていきたいと考えています。最初のうちは僕の友人・知人と語るという企画に参加者を募る"ゲスト・トーク"から始めたいですが、誰か立候補してくれませんか。テーマに興味のある人に加わってもらい、ゆっくり飲みながら楽しいネットワークを広げていきましょう!

2009年11月17日

まもなくパクチーハウスオープンから2周年!

パクチーハウス東京、まもなく2周年です。2周年を前に、11月よりついに定休日を廃止。そして同時に、ランチ業態として「地球を救う"手食"オーガニックカレー」をスタートいたしました。
http://bij.paxihouse.com/

というわけで、みなさまには毎日パクチーを食べていただけます。また、パクチーの種を使った日本でもっともポピュラーな料理のひとつ「カレー」を通じて、食や世界の諸問題を考えていただけます。

さて、2周年だ。

何も分からずに店を開いたその日から、たくさんのことを学んできました。"交流する飲食店"というのが事業計画を書き始めたころからの理想形で、実は店を開く5日前にはこのビジネスプランでかながわビジネスオーディションの「日本起業家協会賞」を頂きました。

その講評において、「あなたのやろうとしていることは面白いけど、果たして実現可能だろうか」という旨のことを言われたのを思い出します。プラン通りに実行できるのかと、掲げたテーマに人がついてくるのかと。

相席とかパーティ営業は絶対に面白いと思っていました。しかし、それをどのように受け入れてもらえるかについてはノーアイデアでした。そして、店をオープンしてみると、慣れない仕事に追われて、プランを実行する余裕はほとんどありませんでした。

・・・そうした中で、お客さんから頂いた意見は、僕の思いを確信にまで導いてくれました。
  「料理が珍しいから隣の人とシェアしてみました」
  「店内が開放的な雰囲気だから、話しやすいですね」
  「パーティは席が決まっていないから、たくさんの人としゃべれて嬉しい!」

僕らが店ですべきことは、僕らの意思でお客さんを動かすことではなく(そんなことは絶対にできない)、お客さんの意思で楽しみを見つけられる環境を作ることだと、次第に気づかされてきました。――"交流する飲食店"であり"交流させる飲食店"ではないのだと。

とにかく場所を提供したいという思いで、いろいろ考えてきました。最初の1年は、月に1回パーティをやってみようと試み、1周年記念に「見知らぬ他人と囲む鍋」という酔狂(しかし今やアタリマエ)な
企画を立ち上げました。毎月1回パーティの企画をするのはネタ的にしんどかったです・・・しかし、来てくれた方の笑顔を見るにつけ、自分たちがやるべき方向が分かってきました。

そこで2009年は、年間36回パーティ宣言で幕を開けたのです。また、"毎日がパーティ"的な状況を実現するため、気軽に話せる立ち飲みスタイルの店舗内店舗「Public'S'peace」を4月にオープン
しました。

2周年を無事に迎えられることを大変うれしく思います。そしてますます場づくりに専心したいと考えております。具体的には、Public'S'peaceの有効活用を、とくに目論んでいます。店全体で行う「パーティ営業」だけでなく、テーマを決めて人が集う"小さなパーティ"を日常化したいと思います。

2周年パーティが終わった後、僕は週に1回以上、この"小さなパーティ"を主催したいと思います。テーマを決めたり、こだわりのある生き方をしている友人を招いて、樽や大テーブルを囲みます。興味あるテーマ、人を見つけたときに自由参加できるようにしたいと思います。また、同様の"小さなパーティ"を主催する方も募集したいと思います。パクチーハウスという場を利用して、それまでにないつながりを作り、みなさんが豊かで楽しい人生を過ごすことを希望します。

では、2周年パーティで会いましょう!

(2009年11月15日発行のパクチーハウス会員向けメルマガ『ビラビラビーラ』のコラム「佐谷恭のぱくぱく日和」より)

◆パーティに来る方(それはあなたです!)は、こちらから概要をご覧ください
◆パクチーハウスの会員になりたい方は、こちらの書類(pdf)を印刷して書き込んだ上、パーティ会場へお越しください。
◆仕事が立て込んで忙しい方は、5日間のうちに隙を見つけてパーティに参加して、できるビジネスマンであることをアピールしてください。

2009年11月15日

「ゆる飲み力」を鍛える

来週20日パクチーハウス東京は2周年を迎えます。過去最高の5夜連続パーティシリーズを行いますので、ふるってご参加ください。これまでやったことのない規模。いつものごとく暗闇を突っ走るような感覚もあり怖くないといえばウソになるが、その分期待も大きい。ワクワクします。一緒に楽しみましょう。19日から23日までです。

できるだけ入り浸ってほしいです。そして、パクチーハウス東京だけでなく、日に日に魅力を増している街・経堂を歩いてほしいです。というわけで、経堂の個人店を紹介した『朝酒新聞』の記事を、ここにアップロードしておきます。ご参考にしてください。

ほろ酔い巡礼39カ所で「ゆる飲み力」を鍛える


2009年11月10日

日経デビュー

11月9日付『日本経済新聞』夕刊で、パクチーハウス東京を紹介してもらった。個人的には12年前に載せてもらったことがあるが、店としては初めて。

大きい記事の中のほんの一部であるが、一度でも載せてもらう意義は大きいと思う。他社も追随しないかな(笑)

それにしても記者の方にtwitterの話をしたら、twitterに関する言及が自分のトコより扱いが大きくなるとは...。せめてtwitterパクチー友の会みたいのがパクチーハウスで起こっていると書いてくれたら嬉しかったのだが。まぁ、いいか。

http://pieceofpeace.org/pressrelease/091109paxi.jpg


そして、その波及効果として、今朝、テレビ朝日の「やじうまプラス」という番組で、その記事が紹介されたらしい。コメントとか聞きたかったな。見た方、録画された方がいれば教えてください。

2009年11月 3日

カレーを手で食べる

新しい昼業態としてBij @ paxi house を立ち上げて、2日目の営業が終わった。まだまた知名度はゼロに近く、スタッフも全く慣れていない段階(まだシフトに入っていない人もいるし)だが、確かな手ごたえを感じている。twitterや近所づきあいのおかげで、経験を積み重ねられるぐらいのお客さんが来てくれた。嬉しい限りだ。

さて、ひとつの試みとして、Bij @ paxi house では、カレーを手で食べることを推奨している。初日は何人かがトライしてくれたものの、途中から皆スプーンを使った。今日最初のお客さんは、素手で完食してくれた。このときその本人と会話をしていて、僕を含めスタッフ全員の心の中で何かが変わったと思う。手で食べる楽しさを味わってくれたんだという喜びとともに。

一旦マインドが変わると、勧め方や店の空気もガラリと変わるのだろう。今日来たお客さんは、その後一人を除き皆手で食べた。そしてほとんどすべての人は、この初めての体験を楽しんでいた。食べ物の温度を感じ、手で"きれいに"食べる難しさを感じ...。お客さんは皆、笑顔だった。そして、目を合わすだけで、手で食べる感想を言ってくれた。なんとも面白い空間ができたと思った。

「味がよくわかる」
「脳の働きが活発になるようだ」
「食べ物に直接触れるのっていいですね」

食べ終わった後、店舗出入口付近にある洗面台でカレーを洗い流すと、誰もが気づくことがある。それは、驚くほど素早くカレーが手から離れていくこと。Bij @ paxi house のカレーはほとんど油を使わずに作っているので、多くの洗剤を必要としない。これはお皿を洗う時も同様。身体に優しいカレーは、地球にも優しい。


2009年11月 1日

2周年に向けて

今日から11月。もうすぐパクチーハウス東京を開いてから丸二年になるが、ついに定休日をなくすことにした。

そして、同時にランチの新業態スタート。Public'S'peaceのオープンで「店舗内店舗」という発想が出来て以来、可能性には限度がないのだと改めて認識。空いている時間の活用とともに、よりよい食材にアクセスするネットワークづくりの意味合いも兼ねて、"地球を救うカレーライス"を始める。

単に営業時間が伸びるだけではないので、2年前に初めて店を開く前と同じぐらい作業量があった気がする。そして、明日のオープンからは僕だけでなく実際に動くスタッフにもその影響は及ぶ。最初は混乱の連続だろう。どれだけ早く体制を築けるかな。

パクチーハウスの場所の効果は、たくさんの素晴しいお客さんに恵まれたおかげで、自分が妄想していたスピードより早く進化している。その稼働時間を長くすることで、より多くの人にこの快感を味わってほしい。

スタッフの週休2日もついに実現だ。会社の職務を本当に効果的に遂行してもらうためには、自由な時間を確保した上で全力を尽くしてもらうのが一番だと思う。余った時間で、大いに遊んでほしい。

というわけで、今後とも株式会社旅と平和パクチーハウス東京、Public'S'peace、Bij @ paxi house をよろしくお願いします。月曜日は定休だと認識している人が多いと思うので、これを読んだ人は席を埋めに来てください!

本日付プレスリリース: 「株式会社旅と平和、風土屋と提携 "地球を救うカレーライス"を開始」