2009年6月30日

09年6月の読書記録

●北野幸伯『隷属国家 日本の岐路―今度は中国の天領になるのか』(ダイヤモンド社、2008)
著者のメルマガを時々読んでいたのだが、この本は国際情勢が分かりやすく身に付く良著だと感じた。ロシアに長年住んでいるからこその視点は、大いに学ぶところがある。各章の最初にあるフィクションの小噺も面白い。

●Harvard Business Review Anthology『いかに「サービス」を収益化するか』(ダイヤモンド社、2005)
サービスの向上が利益につながることを証明した論文集。事例が具体的で分かりやすい。他人のため、がビジネス成長の鍵である。リッツカールトンなどの例はなんとなく聞いたことがあったが、米メイヨークリニックの事例には感激した。

●横田正弘『博物館はマーケット―個人経営ミュージアムの集客と黒字経営のしくみ』(春日出版、2009)
売る側の都合でなく、買う側の気持ちを慮ることこそ商売の基本。行政や道楽で経営されているミュージアムばかりの中で、個人で初めて黒字経営を続ける過程が書かれた本で、いろいろなヒントが満載だった。

●沢木耕太郎『世界は「使われなかった人生」であふれている』(幻冬舎、2007)
なんとなくアマゾンでついで注文。開いてみたら映画評論だった。読んで気づいたのは、これは単なる映画評論ではない。旅人としての沢木さんの色がこういうところにも強く出ている。中でも印象的な一節:「移動することで、自分を覆っていた堅牢な鎧が溶かされるという、旅が本来持っている精神の治癒力」。

●『近代食堂』編集部『すべて実例 飲食店の販促アイデア200―お客が喜ぶ-売上が増える』(旭屋出版、2009)
200もの事例が一冊にまとまっている。飲食店経営者なら必ずどこかでヒントを得られるだろう。そういう意味ですごくオイシイ本だ。

●城繁幸『たった1%の賃下げが99%を幸せにする』(東洋経済新報社、2009)
久しぶりに会う直前に読んだ。唱和的価値観を打破せよという発言は痛快。しかも、時代は彼のいうところに近づいてきていると思う。ただ、視点が大企業やコンサルからのものなので、すでに大企業を脱した人間から見ると、やや新鮮味にかけるが。もっといろいろ発言してほしい。頼むよ。

●中竹竜二『リーダーシップからフォロワーシップへ カリスマリーダー不要の組織づくりとは』(阪急コミュニケーションズ、2009)
いわゆるリーダー論とはまるで違う。カリスマリーダー像とは対外的にも大部的にも対極の位置にありながら、結果を出す"リーダー"。著者も強調するスタイルの確立と、ブレないことの大切さは非常に刺激を受けた。


⇒過去の記録:
09年|12|11|10|9|8|7|6|54321
08年|121110987654321
07年|121110987654321

瀋陽出張

中国・瀋陽へ出張。マイレージの利用から端を発して、食品工場のリサーチと中国でも最大級の雑貨市場の見学をしてきた。

瀋陽(奉天)は、歴史的にも日本と非常につながりのある地域。しかし、「瀋陽に行く」と言うとそれがどこにあるかも知らない人があまりに多い。北朝鮮を迂回しても約3時間で到着するのに...。それから反日感情について、マスコミの報道を本気で信じている人が多すぎる。あれは99%嘘、というか1%以下を誇張しているだけなのに。

飲食店の経営から事業を多角化するにあたって、いろいろヒントを得た。外に出て考えるのはやっぱりいい。しかし、今回得た感触では、事業として表現するもの(商品・考え方)は、日本発にしたいと思った。安さから利益を追求するよりも、自分が出すものは質を追求したいし、無駄を出したくない。必要なのは常に長期的な視点だと確信した。

その他、当然ながらパクチー料理を食べ歩いた。ヤンパクの原型はもちろんのこと、いろいろトライしてはみたが、"パクチーという素材を活かす"という観点からはあまり参考にならなかったというのが正直なところだ。北方だからであろうか、ほとんどすべての料理は塩がきつすぎて、途中で参ってしまった。

ボったくる相手との交渉という意味でも、学生時代とは全く違う感覚でいる自分に気づいた。この件に関しては、いろいろな旅人と語りたいと思う。ぜひ近いうちにパクチーハウスで。