2008年11月12日

ザ・ウィンザーホテル洞爺とパクチーハウス東京の共通点

窪山哲雄さん著 『ザ・ウィンザーホテル洞爺 ホスピタリティ』(インデックス・コミュニケーションズ、2008)を読んだ。1年半ほど前から飲食店のあり方について真剣に考え、1年ほど実際に店舗を経営してきた者として、共感できるところが大いにあった。ここにメモとして、同ホテルとパクチーハウスの考え方の共通点を列挙したい。ただし、まだパクチーハウス東京には到底至らぬ点も多く、以下のポイントの中で実現していない部分も多々ある。そういう部分はパクチーハウスの目指すところだと理解してほしい。

・「客室を売る」という従来のホテルがしてきたところから脱却したいという気持ち。お客さまをそのままでは帰さないという発想。客室に籠もりきりのお客様がいらしたら、外へ引っ張り出し、強引に背中を押してさまざまなことを体験してもらう。
・ホテルを文化発信の拠点として新しいライフスタイル提案の場としたい。
・グローバルスタンダードが叫ばれる時代に、日本人は伝統文化についてあまりにしらなさ過ぎる。忘れられつつある日本の文化をきちんと紹介し、素晴らしい文化に改めて関心を持ってもらいたい。正しい形で文化が伝われば、日本はより豊かになれる。
・人は食べなければ生きていけないからこそ、文化を知る最も近道となるのは「食」にある。
・文化というものは異質な文化との交流によって高めあい、洗練されていく。
・「食」と「食文化」の違い。つまり、単に空腹を満たすだけでなく、店と客との対話があり、食べる側がその空気をも楽しんで初めて「食文化」といえる。"文化にはその語り部が必要である"
・もしも対話のないスタッフがいたら、当社の従業員ではないと常日頃から言っている。
・フランス料理店に行って「フランス料理おいしかったね」というのは20世紀のサービス。21世紀は美味しいはアタリマエで、何か別のことを学んだ、楽しんだということが大切になる。
・海外のリゾートでは隣のテーブルでその国の王子が食事をしていたというようなことがよくあるが、こうした空間を日本にも持ち込みたい。エライ人と一般のお客さまがクロスオーバーする。世代や立場を超え、すべてがミックスした空間はとても刺激的で、見ているこちらも心躍る。
・子どもも大切なお客さま。さまざまな体験をして欲しい。日本に社交の場がないので、その社会的役割を担いたい。パーティが苦手な大人も子どもと楽しみながら、いつの間にか交流を楽しむように「仕向ける」。ホテルはお客さまにとっての新たな出会いや人脈さえも育める場。
・海外ではエレベータに他人が乗り合わせるとお互い挨拶して会話をはじめる。ウィンザーでは顧客招待会のときには声を掛け合うよう呼びかける。
・日本にはファミリーパーティの習慣がない分、海外の子どもたちと比べ自己表現が遠慮がちになる。垣根を越えた楽しさを実感させることで国際感覚、つまり相手を受け入れようとする心も芽生える。
・個々にあわせたサービスを提供する。「大人」「子ども」という大雑把なカテゴリーに対するサービスを考えることはよほど難しい。目の前のお客さまの反応を見て次の動きを考えることを積み重ねさえすれば適切なサービスが生まれる。
・ホテルのサービスとは、ホテル内で完結させるのではなく、外へと無限に広げていってこそ、完全を目指せる。"ストレッチアウトサービス"..
・サービスにおいては子ども扱い、年寄り扱いすることによって、人生のクオリティが下がってしまう。子どもは大人的なサービスをすることで成長する。日本は儒教的な考え方が残り、年を取れば取るほど自分をあるべき型にはめようとする傾向にあるが、価値観にしばられずウィンザーでは"ちょいワル"になっていつもと違うスタイルを楽しんで欲しい。
・ウィンザーには館内案内にもパンフレットにも載せていない、秘密のヌードルショップが存在する。
・現代のリスクマネジメントは「お客さまは神様です」ではなく、お客さまも人間、従業員も人間であるという捉え方でなければならない
・ホスピタリティを考えたときに、リザベーションの担当者が「予約」という作業だけに終始しない。「予感」を演出すべき。

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コメント[4]

ウィンザー良いですよね。
何年か前に、見学してきました。

あのヌードルショップの演出、たまりません。

興味をそそられたので、早速読んでみたら、
パパスタイルのやりたいことが、この本の言葉によって
より明確になってきたよ。

いい本紹介してくれて、ありがとう~!

渡邉さん、いろいろなところに行ってますねー。
今度また話を聞かせてください。

この本、おもしろいね~

Kyoさんの目指すところを知りたくて、
早速読んでみました。

パパスタイルの目指すスタイルとも似ているところがあって、
とても勉強になったよ!

いい本を紹介してくれて、ありがと~!

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