2005年10月28日

無国籍

国籍について考えたことはあったが、「無国籍」についてはほとんど考えたことがなかった。

国籍は自分を表現するときの1つの方法で、それによりさまざまな権利・義務が生じるが、国境線が変わるなど、状況で変化することもあるもの。生まれてから国籍を何の気もなしに持ち続けている身としては、普段はほとんんど気にすることはなかったが、アイデンティティーとしてはとても弱い概念だ。日本のパスポートは“最強”と言われ、そのお陰でこれまで僕は好きなように旅をしてきたが、一方で国籍という概念のために、自由に行き先や仕事、配偶者を選ぶことができない人がいる・・・。

『無国籍』(陳天璽 著、新潮社)という本にたまたま出会いページをめくってみたのだが、あまりに興味深くて一気に読み終えた。「無国籍」で生き、日本国籍を取るまでの約30年を描いた作品。同じ体験をすることはできないが、彼女の30年間をこの本で追体験することは、とても貴重と思う。

全ての旅人にこの本を薦めたい。いや、全ての国籍を持つ人と持たない人が目を通すべき本と言えるかもしれない。