11月30日、僕は約3か月ぶりにプノンペンにいた。カンボジアはまだ治安が回復しておらず特に行くところはないのだが、ヴェトナムのヴィザをとるには最適な場所だと思ったので訪れることにした。今回の旅行では、プノンペンからヴェトナム、ラオスを通ってバンコクまで到達するつもりだ。ヴェトナムヴィザの申請から取得まで約1週間ある。そのあいだ不良バックパッカーの悪影響を受けないようにしながら何をしてすごそうか。それだけが悩みの種だった。
しかし、実際行ってみると、そんな悩みは忘れていた。キャピタルゲストハウスのそばでいろいろな人と会い、話したが、長期休暇中でないため学生はほとんどおらず、今までの旅ではあまり知り合わなかった強者バックパッカーに多く会えた。変な奴もたくさんいたが楽しく過ごせた。他には、トンレサップ川に行って魚釣りを見たり、王宮前の広場で子どもと遊んだり、マーケットの活況を楽しんだりした。
ヴェトナムのヴィザがとれた後、今度はラオスの大使館に行きラオスヴィザもとろうと思った。しかし「どこから入国するんだ」と聞かれ、「ヴェトナムから陸路で…」とこたえると、「ヴィエンチャンまで飛行機で飛ばない奴にはヴィザはやれない」と断わられた。大使館員にヴェトナムのホーチミンとダナンに領事館があるからといわれ、ラオスヴィザはヴェトナムでとることにした。ダナンにラオス領事館があることは、「地球の歩き方」にも「ロンリープラネット」にものっていないので、プノンペンのラオス大使館に行ったことは無駄足とはならなかった。
そしてとうとうカンボジア出国の日が来た。キャピタルレストランで会った日本人3人とタクシーをシェアしてホーチミンへ向かうことにする。タクシーというと高そうだが、4人以上集まればバスよりも安くなるし、バスだと国境でのチェックのためかなりの時間がかかるが、タクシーではそんなことはない。初めての国境越えに挑むという緊張感とまだ治りかけの細菌性のげりを患っていたことで、ドキドキしていた。タクシーは豊かなカンボジアの大地を駆け抜け、少しずつヴェトナムに近づく。途中、メコン側をわたるフェリーに2度乗り込む。
出発から3時間で車は国境の町バヴェットに到着した。粗末なイミグレーションで出国の手続きをし、初めて国境を自分の足で越えてヴェトナムへ入国した。