3日目(19日)
3−1

海へ パラセーリング
 昨晩は(も?)みんなより早く寝てしまった。とても寝起きが良い。

 今日は父の友人の紹介でマリンスポーツをすることになっている。例のごとくバイキングの朝食。今朝は中華風に行こう。なんて、おかゆを食べたのだが、、、「痛い!」おかゆを食べたら突然口の中に激痛が走った。何かが刺さったわけではないのだが、ものすごい痛みが走る。これは辛さか?最初だけだろうと思いもう少し食べてみるが全然事態は変わらない。ものすごい顔と声にみんなが驚いている。何だろうと思い、おかゆのあるところに戻って確認した。


ボーイさんが書いてくれた字
上がスマトラ語
下が英語
その下が俺のスケッチ
(竹で作った木琴)
 おかゆのトッピングはねぎ、ふりかけ(きんしょうばい、、漢字が分からない)らしきもの、おくら、透明な油、梅干しなどなど、思い当たらない。しかしすこしずつ食べて見て分かった。透明な油だ!ものすごく辛いため、辛さを通り越して痛みを感じる。結局お皿一杯に注いだおかゆは食べられなかった。滑稽だったらしく、アサコがずっと笑っている。舌の痛みを取るため甘いジュースとヨーグルトばかり食べた。バイキングはこれだから恐い。

 昨日と同じメロディが流れている。ボーイさんに聞いてみた。

「あれはなんて楽器?」

「アンクルン(angkurung)ていいます。」

と、わざわざペンと紙を持ってきてスペルを書いてくれた。バリ人の書くローマ字は不思議な書体だ。ところで後で知ったのだが、バリの民族楽器のことをガムランというらしく、普段は冠婚葬祭で演奏する。てっきり鉄琴みたいな楽器をガムランだと思っていた。


楽器(ガムラン)を弾く人たち。
真剣にやっていないところが
魅力的
 食べ終わって一度部屋に戻り、支度をしてロビーに行くと、「Hello」と小柄だが恰幅の良い男がよってきた。父に「Mr.Nishimoto?」と話しかけて来た。あ、彼が今日のガイドか。日本語が出来る人ばかりをガイドだと思ってしまっていた。しかし、彼の話す英語はとても聞き取りやすく、なんとなく会話が出来た。名前は「エディ」。見た目はハワイ系(相撲の曙とかと同じ人種)にみえた。父となんか楽しそうに話している。どうやら父の友達についてみたいだ。エディはバリ人ではなくスマトラ人らしい。それで、出稼ぎにバリに来ている。

 途中、靴を履いてきたははとアサコに「ビーチサンダルの方が良い」とエディがいい、道端のお店で買った。またしばらく走り、お墓(キリスト教)一帯を抜けると海に出た。海だ!すでにパラセーリングや水上バイクで楽しんでいる人が大勢いる!

 砂浜に着くとすぐに

「着替エテクダサイシャチョウサン」

と海の家のオーナーらしき人がへんてこな日本語で仕切り始める。気がついたのだが、家族はみんなすでに水着を着てきている。仕方なく便所に行って履き替えたのだが、暗くコンクリートの床がびしょびしょで恐ろしかった。

 着替えるとすぐに砂浜に集められパラセーリングの用具を付けさせられた。右手に赤い手袋、左手に青い手袋。

「赤イ旗、スグ赤イロープヲヒク。青イ旗、スグ青ヒク。ワカッタ?」

こんな説明でいきなりトモキに順番がまわってきた。

操作方法の説明
赤と青の旗をガイドに
操作する
ちなみに旗を持っているのがオーナー
 ボートが勢いよく沖へ向かって進むとあっという間に空へ行ってしまった。見ている俺らは「うわー高過ぎないか?」とすくんでしまうくらい小さく見える。1分くらいでボートが戻ってきた。海の家の人たちが砂浜で待ち構えると赤い旗をあげた。拡声器で

「アカ(赤)、アカ、アカ、ヒイテヒイテモットモット」

とへんてこなおまじないのように叫んでいる。それでもそのとおりにやったトモキはふわりと砂浜に戻ってきた。「超楽しい!」とものすごい笑顔で吠えている。


 ホンとかよと思っている間もなく、すぐに俺に器具が取り付けられた。

「ハイイクヨ」ボートが沖に向かう。

「ハシッテハシッテ」

の言葉にがむしゃらに沖に向けて走るとすぐに足が浮いてスっと上空へ。見る見るうちに砂浜の人たちは小さくなり、海と周辺の森、空が視界を覆う。「すげーすげー」他には何も言えず空中で叫びまくっていた。海の色が水色と紺色のグラデーションがかかっている。写真以上のパノラマが広がる。ボートに引っ張られている時は体がとても安定しているのだが、ボートがUターンする時にロープが一瞬たわむ。その時に突然切れた凧のように体がふわふわと不安定になる。

 すぐに下から声が聞こえた。

「…アカ、アカ、アカ…!!!」

いわれたとおり赤いロープを思いっきり引くとカーブを描きながらゆっくり砂浜へ。すとんと軽い衝撃だけで無事着地できた。結局トモキと同様に「超楽しい!」とおんなじ事を言っていた。しかし、10分といわれていたのに、実質2分くらいしか飛んでいないけど、、、。

「あっ!」という間に上空へ
あがっていく
怖くなる前に風景の
素晴らしさに圧倒される

 最後に父が飛んだ。体重も身長も俺より大きい父、すっとは上がらずにちょっと低空飛行の後上がっていった。しかしなんか上空での格好がおかしい。戻ってくるなり「器具がまたに食い込んで…」と楽しむことよりもそっちが気になってしょうがなかったらしい。それでも3人とも満足した。

 
女性2人はやらなかった。アサコは普段は強がっているのにおびえてやらなかった。母は見ているだけで震えてしまうほどの強度の高所恐怖症なので、もしやったらそのまま天国に行ってしまいかねない。興奮覚めやらぬままそのままジェットスキーの説明が始まった。

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