2日目(18日)
2−5


ケチャダンスと晩餐

ホテルに戻ってケチャダンスまでの時間が少しある。そう言えばホテル内を全然まわっていないことに気がついた。まずはプールに。うわ、青い!プールの向こうはもう水平線がパノラマで見え、まさに南国のパラダイス!プールサイドには白いマットのついた寝椅子と白い大きな日傘が並んでおり、外人達が思い思いに横たわっている。プールは崖にあり、その下に行くと、、またプールだ!上のプールから流れる水が滝になって下のプールに注ぎ込まれる。2段式のプールだったのだ。その横に穴がありは行っていくと何と滝の裏側へと通じ、そこには巨大な水槽があり、南国の色彩豊かな魚達が泳いでいる、、、なんて豪華なんだろう、、しばらくボーッとしてしまった。

 気がつくと、ケチャダンスの時間が迫ってきた。また会場まで車で移動する。ホテルのエントランスにいくと、いろんなガイドさん達がおり、「○○さんですか?」と声をかけてくる。その中の一人がすでに父と喋っていた。今度のガイドさんだった。ほとんど日本語が通じず、片言の英語でこっちも会話をしたが、みんな疲れていたのか車中、静かだった。

 40分ほど車を走らせ、日が暮れかかった会場に着く。学校の体育館の半分くらいの広さ、大屋根のヴィラ形式の会場。座席は階段状になっており3方からステージを囲む形で、お客は客席の1/3程度しかいなかった。テロの影響らしい。ほとんど日本人、と思っていたが彼らの会話から韓国人や中国人が多いことが判明。

 しばらくして子供のダンサーがステージに上がり、そこの真ん中にあるオブジェにあるろうそくに火を付け始め、照れくさそうにまた戻っていった。それから10分後、日も暮れた頃に始まった。手を挙げた上半身裸の男達がステージ中央の狭い入口からぞろぞろと出てくる。ぞろぞろぞろぞろ、、、子供から大人まで多分100人くらいか?半分くらいが照れくさそうというか、笑っている。「やる気があるのか?」そう思ったが、みんなが炎を囲みあぐらをかくと「ケチャケチャケチャケチャ…」と呪文のように唱え始めた。

 バラバラに聞こえたその呪文は「ウァッ」という鳴咽とも叫びとも聞こえる掛け声で一斉に「チャッチャッチャッ!!!」とひとつになる。それからはどこで合図しているか分からないがとても息の合ったタイミングで「チャッチャッチャッ!!!」と入る。鳥肌が立った。カッコイイ!いくつか掛け声にパターンがあり、それに合わせているのは分かるのだが、ぴったりあっているのが不思議だ。

 本来は日が暮れてから開けるまで延々とそれを繰り返し、トランス状態に入る儀式なのだが、1,900年初頭、ラーマヤーナ(インドネシアの伝説)のストーリーがつけられ観光用に改良された。日本語の解説をもらったのだが、話が良く分からない。悪者らしき衣装を着た男がケチャを唱えるものを蹴散らし、民族衣装を着た女がダンスを踊る。めちゃめちゃなんだけど、それでも見ていて面白い。

ロウソクの火だけの照明


 ダンサーの中の白髪の老人がずっと何かを言っている。多分ストーリーをインドネシア語で語っているのだろう。声が日本のアニメ「タイムボカン」に出てきた「おしおきだべー」といっていたキャラそっくりで声が大きくなる度におかしくて仕方がなかった。

 また、ダンサーの何人かはやる気がない、、というかずっとへらへらして、子供のダンサーにちょっかい出したり、ひそひそ話しては笑っている。それも見ていて楽しい。反対に真剣にケチャをやってトランス状態に入っている人もいる。ああ、加わりたい!あっという間の1時間で、どこが終りだか分からなかったが面白かった。

 年に1度、300人のケチャダンスがあるという。ものすごい迫力だろう。毎年GWにあるらしいからぜひ見に行きたい。


 ケチャが終わったその足で夕食に向かった。車中、ずっと「ケチャケチャケチャケチャ…」とアサコと唱えては「ウァッ」と掛け声を入れて「チャッチャッチャッ!」と真似事をしていた。いくつかパターンを覚えたのだが、、忘れてしまった。もう20時だったが、意外にも、道路沿いに並んでいる店舗はまだやっている。細い道路に堂々と屋台を置いている。その横を速度をゆるめずに進む車。店舗から漏れる蛍光燈の光にわくわくした。売り物が神秘的に見える。こういうところをうろうろしたかった。が、依然、車は猛スピードで目的地に向かった。

 
夕食は、ケチャツアーに組み込まれており、たしか「バリ・ヒルトン」でのディナーだった。ホテルはとても豪華でかつ優雅であった。松明の炎と民族衣装を来たボーイと受付嬢が笑顔で出迎えてくれる。わくわくしてきた。しかし、肝心の料理はというと、ロブスターの丸焼きとか出たがあまり旨くはなかった。なんだろう?豪華な食材を使っているように見えるのに旨くないのは?

 さくっと食べ終えた。話によるとプライベートビーチがあるらしい。そこへ行くとすぐに砂浜、昼間は多分きれいなのだろう。「来年はここにするか」とトモキとチョコっと喋った。来年、来られるといい。明かりがないため暗くて分からなかったが夜の波の音が心地よかった。

 食事も終って帰ろうとロビーに戻るとトモキが呼び止められて、「現地人」と勘違いされた。それだけでバリ人と「兄弟(ブラザー)」と呼び合える仲になってしまう弟が羨ましい。

車で宿泊ホテルに戻ったのだが相変わらず猛スピードで進む。気がついたのだが、これだけ走っているのに信号がほとんどない。覚えているのは飛行場の駐車場を出て少し走ったところの交差点にあったくらい?

 9時過ぎ、ホテルに着いた。


100人近くのダンサーが
「ケチャケチャ…」と唱え続ける
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