きっかけ
インドについて語る前に、どうして僕がインドに辿り着いたのかを言っておいたほうがいいのだろうか。
僕は大学に入り、一人旅を始めたとき、インドには最後に行こうと決めていた。つまり、いろいろ旅をして、最後に卒業旅行でインドに行き、それで締めくくろうと考えていた。
旅を始めたときの目的地。それは僕にとって中南米であった。理由は身近な人からの話により影響を受けたという点も大きいと思うが、太陽と微笑みとラテン音楽こそ僕が追い求めるものであると信じていたからだ。そして、インドのようなしんどそうで、かつ、不思議そうな国(このころからそういうイメージはあった)には、最後にちょこっと訪れてみようと考えていた。
しかし僕は予定よりも早くインドに導かれた。明らかに意思に反していた。しかし、不思議な縁でインドに触れているうちに、いつのまにか家の台所には香辛料があふれていた。アマゾンでマサラをキーワードに本を購入していた。インド人の友人にメールを書いていた。インドについて執筆を始めていた。そして。。。インドに愛着を持っていた。
少し話がそれたが、簡単にインドに辿り着いた経緯を話そう。
初めて中南米行きを決意したとき、航空チケットの入手に失敗した。代わりにカンボジア行きを決めたが、それは当時たまたまカンボジアPKOの勉強をしていたからだった。そしてそこでインドシナに興味を持ち、次の旅行のときベトナムで出会った旅人に「俺はイランが最高の国だと思う」と言われた。。。
数ヵ月後、僕はイランを目指して旅を始めた。しかし、またしてもビザやチケットが取れず、気づくとインドで2ヶ月を過ごさなくてはならなくなった。。
僕は旅の前にほとんど計画をたてない。それゆえ、僕の旅では当初の目的地に、最終的に辿り着かないことが多い。初めて中南米に行こうと考えた日からもう6〜7年経つが、未だに訪れたことがない。旅のスケジュールは次の日さえ決まっていないことが多いし、誰かに話をきいたり、面白い人に出会うことで次に行く場所が決まったりする。
そして。
予期せず着いた場所がインドだった。そして、初めてインドに足を踏み入れて以来、僕の生活に、人生に、インドが入りこんできた。それに対して、抵抗はできそうになかったし、抵抗はしなかった。