ニューデリー情報
われらが心のふるさと
蒸し暑い、汚い、クサい と3拍子そろったUPHAR G.H.(デリーの日本人宿、ドミRs35/1泊)をたまらずに飛び出した僕らは、気分一新、西洋人ばかりのRINGO G.H.に引っ越した。西洋人の中で僕らは異端と思われたらしく、建物に入ったその瞬間から僕らは注目の的だった。インド人たちも僕らのことをジロジロ見るが、西洋人たちの僕らを見る目は、インド人のそれをはるかにしのいでいた。5泊ほど泊まったが、その間ずっと、洗濯をしても、シャワーを浴びても、「こいつらなにをしやがんでぃ」と珍しそうに視線を向けてくる。しかし、僕らがこんな彼らに目を合わせて微笑むと、彼らは恥ずかしそうにうつむいてしまう。それでも「変わり種」の僕らと少しはしゃべりたいらしくて、わざわざ僕らのドミに入ってきてまで、「今何時だ?」とか「うまい店知っているか?」とか「バナナ食うか」と尋ねてきた。この宿を僕らが去ろうとした時、みんなが「エッ、あいつらもうどこかへ行くのか?」なんて顔をしてそわそわしながら「バーイ」なんていってくれるのが面白かった。あぁ、異端っていいなぁ。
そんなshyな西洋人の中に、一人だけ敢えて僕らにアタックしてくる仏人がいた。かれの名はここでは書けないが、仮にWimpyとしておこう。かれはカレーが大キライで、いつも近くのファーストフード店Wimpyで食べてばかりいた。世界の言葉で"I love you"を覚えることを人生の目標としており、とても陽気な奴だった。「フランスが最高だ!」というのが彼の口グセだったが、彼流の節でいつもいつも「Japa〜n is numbe〜r one...」と歌ってくれた。初めてあった日から毎日、「俺は明日マナリに行くんだ!」と宣言しつつ、寝坊続きで、結局はデリーから一歩も出ずにパリへと飛び立つことになる。ドレッドヘアーの彼は分かれ際にワインを送ることを約束してくれたが、もちろんまだ届いていない。Wimpy、早く〜!!
旅先で聞いた言葉から
「だーめね〜〜〜」
ヴァラナスィには日本人K美子という人が経営する日本人宿がある。この宿は朝・夕食をみんなで一緒に食べるという掟があり、また、門限まである。夕焼け・日の出を見たい時にはK美子主催のツアー(有料)に参加しなければならない。それでも同胞たちに会えるということで、近年とみに有名になった教団の教祖も訪れるなど、絶大な人気を誇っている。宿泊者たちに聞くと「安心できる」っていうのも、わかるような気がするけど(ただし、ヴァラナスィの宿でパスポート盗難率が最も高いのはこの宿である)。
そんなわけでこのK美子ハウスの宿泊者以外は、「門限」がすぎた後、この宿の近くのチャイ屋で、これをネタに話すことになる。そのチャイ屋を経営する少年は日本語・英語の単語をいくつか知っており、十八番が「だーめね〜〜〜」だ。「明日ここを去るよ」なんていうと、「Tomorrow Leaving だーめね〜〜〜」...。日本人たちがK美子の話題で盛り上がってきた頃、彼はそっと僕らにチャイをさし出してくれる。でも、そのチャイはガンガーの水から...。ガンガーウォーターだーめね〜〜〜。いくら沸かしても、ガンガーは永遠に...。