2006年11月30日

偽ブランドの見分け方、分かる?

30日、ホテルグランドパレスで開かれたセミナーで偽ブランド品について説明を受ける参加者ら日本流通自主管理協会が消費者セミナーを開催

インターネットでニセモノをつかまされないためには?――。日本流通自主管理協会(AACD)は30日、偽ブランド品を購入しないよう消費者に呼びかけるセミナー「ニセモノってなに?~ネット購入の“常識”」を、東京・九段のホテルグランドパレスで開いた。20-30代の女性を中心に約70人が出席し、“ホンモノの見分け方”を探ろうと熱心に聞き入る様子が見られた。

 同セミナーは、偽造品・不正商品の流通防止を目的に設立されたAACDが、インターネットショッピングの普及を受けて消費者向けに初めて行ったもの。インターネットで気軽に買い物が楽しめるようになった反面、巧妙な偽サイトの出現や確認の難しさなどから偽ブランド品の流通スピードが加速している現状に歯止めをかけるのが狙いだ。

 AACDの大谷規世事務局長は、「内外価格差や為替変動を利用して安く仕入れた“並行輸入品”を販売する店では直営店より安く買えることは事実だが、価格差には限界がある。安すぎる商品には注意が必要」と話し、“並行輸入品だから安い”というようなウソに注意するよう呼びかけた。AACDはブランド品に関するデータを大量に蓄積しており、ブランド品の真贋(しんがん)に不安を持つ消費者からの相談も受け付けているという。

 セミナーには、ヤフー<4689>法務部の吉田奨マネージャーも登壇し、パトロールや店舗との契約などで、ニセモノの流通を防ぐ取り組みを行っていると報告した。一方で、ヤフーもAACDも「判定基準など具体的内容については、ニセモノ業者に裏をかかれる可能性があるので公表できない」として、見分け方の詳細は明らかにされなかった。

 セミナー後、展示されたニセモノをホンモノと見比べる展示が設けられ、参加者らはその精巧さに驚いていた。見分けるポイントは書かれていたものの、指摘されても分からないものもあり、「実物を見ても分からないので、ネットショッピングには不安を感じると思った」(20代女性)という切実な反応も。

 並行輸入ブランド品に関する相談、問い合わせは、AACD消費者Q&Aセンター(電話:0120-786-470)まで。【了】

東京のど真ん中で旭山動物園

東京駅アートロードで始まった「旭山ハイビジョン動物園」。立ち止まって画面に見入る人もいたソニーがブルーレイ・ディスク(BD)をアピール

東京のど真ん中で、旭山動物園のペンギンやオランウータンと出会えます――。ソニー<6758>は30日、旭山動物園(北海道旭川市、小菅正夫園長)の動物をハイビジョン映像で紹介する「旭山ハイビジョン動物園」を、東京駅の京葉線改札口から丸の内南口までをつなぐ約700mの「アートロード」で始めた。ハイビジョンで撮影した4種類の動物の映像を、約20台の同社液晶テレビ「BRAVIA」で流す。12月17日まで。

 ソニーのブルーレイ・ディスク(BD)レコーダーが来月初旬に発売されるのに合わせた企画。ペンギン、ホッキョクグマ、オランウータン、アザラシの4種類の動物を、迫力あふれる映像で見ることができる。同日、東京国際フォーラム(東京都千代田区)での開会式に出席した小菅園長は「スゴイけど、怖い」と率直な感想を語った。「写真でもなかなか写りにくいペンギンの羽につく細かい水泡など、旭山でしか見られないと言っていたものが見えてしまう」と正直なコメント。

 アートロードに移動後も、小菅園長は「カメラが動物に近づいている分だけ、実際よりもよく見えちゃうかもしれない」と不安の表情を浮かべる一方で、ホッキョクグマの毛並みや水槽の状況に見入っていた。「ここを通る人の何人かが、旭山まで来てくれれば…」。同園長は“見え過ぎ”を心配しながらも、その集客効果に期待を込めていた。【了】

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旭山動物園の“革新”に栄冠

ユダヤとドイツ、和解への対話

パネリストとして参加した(左から)ミシェル・フリードマンさん、ウーヴェ・シュメルター東京ドイツ文化センター所長、ダニー・ヴェレテ監督東京ドイツ文化センターでシンポジウム

"ドイツのユダヤ人"をテーマにしたシンポジウム「今日のドイツにおけるユダヤ系住民の生活」が28-29日、東京都港区の東京ドイツ文化センターで開かれた。ドイツとイスラエルの映画監督による映画がそれぞれ上映され、ホロコースト(ナチスドイツによるユダヤ人大量虐殺)と戦後の和解などについて、パネルディスカッションで活発な議論が行われた。

 両国の国交成立から41年、ホロコーストが起こった第2次世界大戦から60年以上が過ぎ、お互いに疑念や警戒心を持ちながらも、オープンな対話ができる時代にようやくなってきたとして、東京ドイツ文化センター、イスラエル大使館が共同で開催した。

 ナチスドイツの独裁者ヒトラーの時代以降初めての本格的なユダヤ映画として歴史的な意義を持つという『何でもツッカー』(ドイツ、ダニー・レヴィー監督)と、イスラエルの戦後世代のドイツ訪問をテーマに、トラウマと和解を描いた『メタリック・ブルース』(イスラエルなど、ダニー・ヴェレテ監督)の上映をもとに、両国の"現在"の姿が紹介された。

 パネルディスカッションで、ヴェレテ監督は「ドイツ人は生まれながら罪悪感を持ち、ユダヤ人は過去の疑念が消せず、60年経った今、両国民ともが被害者になっている。歴史は忘れてはならないが、苦しみ続けることを止めなければ」と述べた。映画制作の初日に、イスラエル側とドイツ側が疑いの目で見つめあっていたときに、急に雨が降り出し、一緒に片付ける過程ではりつめた空気が氷解したというエピソードも紹介した。

 元ドイツ・ユダヤ人中央評議会委員長代理で、テレビ番組司会者と弁護士などとして活躍するミシェル・フリードマンさんは「ホロコーストはナチスだけに責任があるのではなく、他国や時代背景により起こったものであり、戦後のドイツが人権を尊重する国であると両国が認めることで、関係は改善に向かった。人間は調和を求めており、問題を見据えることができれば調和を得ることもできる」と力説した。また、歴史教育について、「罪悪感を教えるのではなく、世界的に今でも繰り返されている差別や虐殺を止める材料としてあるべき」と話した。【了】

2006年11月28日

SBI、ネット総研を完全子会社化

07年4月1日に

SBIホールディングス<8473>は28日、インターネット総合研究所(IRI)<4741>を2007年4月1日付けで完全子会社化すると発表した。IRIの株主総会の決議後に、株式交換で行う。

 IRI株式1株に対し、SBI株式を1.95株割り当てる。IRIは同年3月27日付けで、東証マザーズでの上場を廃止する。また、IRIの藤原洋社長は、6月開催のSBI定時株主総会で同社取締役に就任する予定。

 SBIは、同社が展開するインターネット金融サービスを、IRIが保有する技術やシステムを使って強化することを目指す。両社は、IRIの技術の海外移転やSBIのネット金融システムの開発スピード向上などで、シナジー効果が見込めるとしている。【了】

2006年11月27日

満州引揚60年 往時を偲ぶ

27日、「引揚60周年記念の集い」で歌声を披露した歌手の中澤桂さん(左)と梅澤薫さん(右)。懐かしい歌に会場が沸いた九段会館で

第2次大戦後、旧満州(現在の中国東北部)からの引き揚げが始まってちょうど60年――。満州にゆかりのある人が集まり、往時を偲(しの)ぶとともに後世に語り継ぐイベント「引揚60周年記念の集い」(国際善隣協会など主催)が27日、東京都千代田区の九段会館で開かれた。

 同イベントには、引き上げ体験者を中心に、定員1100人を大きく上回る人数が集まり、立ち見やホールに入りきれず別に設置されたモニターを見ながら集いに参加する人もいた。開会のあいさつをした同協会の古海建一理事長は「どれぐらいの人が来てくれるか不安だったが、ホッとした。記憶が絶えていくことは避けられないが、風化させてはならないものも多くあり、今一度引き揚げの事実と対面する機会を持たなければと思っていた」と感慨深げだった。

 敗戦当時の満州周辺の在留日本人数は約155万人。引き揚げまでに約24万5000人が死亡し、約130万人が日本に引き揚げたという。基調講演した人間文化研究機構の加藤聖文(きよふみ)さんは、「日本国内で食糧や住宅が不足しており、また、国際社会が“何とかしてくれる”と楽観的な期待があったため、日本政府が現地定着の訓令を出していた」と解説。多くの日本人が8月15日を「戦後の節目」ととらえているが、当時はまだ帰国のめども立たない人たちがおり、戦後のスタート時点には深く暗い溝があったと述べた。

 引き揚げ体験を持つ映画監督の山田洋次さん、毎日新聞顧問の岩見隆夫さんらのシンポジウムや、引き上げ体験者であるソプラノ歌手の中澤桂さんとバリトン歌手の梅澤薫さんによるミニコンサートも開かれた。『こな雪』などの満州唱歌を聞き、「懐かしい歌やなぁ」と目に涙を浮かべる人もいた。また、出席者全員で『故郷(ふるさと)』と『わたしたち』を合唱し、満州での体験を懐かしんだ。

 会場の外には、引き揚げを記録した写真や、満州に関する資料なども展示された。休憩時間に見学した出席者らは、60年前の“記憶”に熱心に見入り、お互いの体験を語り合っていた。【了】

台場で水の祭り 日タイ友好願う

25日、潮風公園で開かれたタイの伝統的な祭り「ロイカトーン」で、灯籠を流すタイの女性ら「ロイカトーン」開かれる

水に感謝するタイの伝統的な祭り「ロイカトーン」(国際タイ舞踊文化交流会実行委員会など主催)が25-26日、東京都品川区の都立潮風公園で行われた。同国の伝統的な衣装に身を包んだ女性が、日本人ボランティアと一緒に、灯籠(とうろう)を水に浮かべる姿があった。

 日本とタイの修好120周年を来年に控え、タイの伝統文化を日本に伝えるとともに、草の根からの絆を深めようと、両国の学生らが力を合わせて開催した。会場では、タイの民族楽器の演奏や古典舞踊が行われたほか、タイ料理や物産品の屋台が並んだ。

 ロイカトーンは、農民が収穫を終えた後、水の精霊に感謝を捧げたり、人間の罪や汚れを水に流して魂を清めるタイの祭りで、毎年11月の満月の夜に行われるという。【了】

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ロイカトーン

2006年11月24日

外国人、円卓会議で文化を紹介

26日、法政大学市ヶ谷キャンパスで

日本にいる外国人の暮らしぶりを知って欲しいと、在日外国人らが26日、「円卓会議」(NO BORDER 2006主催)を法政大学市ヶ谷キャンパス(東京都千代田区)で開く。2002年の日韓共催ワールドカップの際に「自分たちにできること」をしようとボランティアグループを作った人たちに、大学生や研究者が協力して実現することになった。

 在日外国人は200万人を超えたとされ(05年末、法務省調べ)、出身地やエスニシティーが同じ外国人同士がグループを作る地域も増えている。しかし、地元住民との関係がうまくいかず、地域内で孤立化する例も多い。同会議は、子どもの教育や地元住民からの偏見など、外国人に共通の問題を連帯して解決するネットワークを築くきっかけを作るとともに、自らが抱える問題を解決しようと努力する外国人の存在を“認知”してもらうことを目的としている。

 ライブドア・ニュースの取材に、呼びかけ人の1人であるノンフィクション・ライターの姜誠さんは、「すべての外国人がまとまって1つのグループを作ることを目指してはいない。同じ地域にいる人が問題や不安を解決するための情報をシェアし、互いに協力できれば」と語った。韓国系と朝鮮系、台湾系と(中国)大陸系など、外国人同士で反目しあうグループが存在するが、同会議ではそうしたグループの融合よりも個人レベルでのつながりを目指す。「究極的には、地域の安全対策や問題解決を日本人と外国人がともに行い、多様な存在が許容されるようになってほしい」と姜さんは加えた。

 円卓会議は、午前10時から午後5時半まで。入場無料。“日本最大のブラジルタウン”群馬県大泉町などの外国人事情が報告されるほか、在日コリアンのラッパーユニット「KP」や日本語とポルトガル語によるヒップホップグループ「天才's MC」のライブなども行われる予定で、日本に根付き始めているさまざまな文化を体験できるという。【了】

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在日外国人ボランティア円卓会議

2006年11月22日

海外青年招致、20年の意義

22日、日本外国特派員協会で「JETプログラム」の意義を語る松島みどり外務大臣政務官松島みどり外務大臣政務官、「JETプログラム」を語る

政府と自治体が協力して海外から青年を招致し、英語教師などとして受け入れる「JETプログラム」が2006年で20周年を迎えた。松島みどり外務大臣政務官が22日、東京都千代田区の日本外国特派員協会で同プログラムについて講演し、その意義を語った。

 松島政務官は「日本の子どもたちに異文化体験させる素晴らしいプログラム。さまざまな国からの参加があり、日系人や英米人以外にも英語を話す人がたくさんいることを身をもって理解できる」と話した。また、参加者とのコミュニケーションに、生徒だけでなく教師も外国語を話す必要に迫られるため、教師のレベルアップにもつながると意義を強調した。

 JETプログラムは、1987年に英、米、豪、ニュージーランドの4カ国から848人を招いて始まったもの。参加者の9割が公立中・高等学校で外国語指導の補助を行う「外国語指導助手」(ALT)として勤務している。本国からの往復の交通費のほか一律手取りで30万円の給料をもらえることから、大学卒業後のキャリアとしても人気を博しており、国によっては応募者の倍率が10倍以上にも達するという。招致国数は徐々に増えており、06年度は44カ国から5508人が招致され、日本全国に滞在している。

 一方で、ALTの待遇や質についての問題も提起されている。一律の給料を“高い”とみなす国からは、同様のプログラムを組んだとしても、日本にALTが流れ込んでしまうとの指摘がある。“低い”とみなす国では、応募者がALT候補として合格しても参加しないことがあり、補欠合格を出さざるをえない場合もあるという。また、参加者が日本滞在中に受けられる保険が不十分で、交通事故などの際に十分な補償がなされないことも問題視されている。

 これらの問題に対し、松島政務官は「同じ仕事に等しく給料を支払っているのであり、受け取り手により捉え方が違うのは止むをえない。就業時間外については、日本の労災などでも同様と思うが、受入国としてどのような体制を取るかしっかりと確認したい」と答えた。【了】

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JETプログラム

2006年11月21日

日英で大学発ベンチャー促進へ

包括的な国際産学連携協定の締結で調印式を行う東京農工大学の小畑秀文学長(左)と英ブライトン大学のジュリアン・クランプトン学長東京農工大学と英ブライトン大学が包括的な連携協定を締結

東京農工大学(東京都府中市、小畑秀文学長)と英ブライトン大学は21日、学生・教員の相互派遣やTLO(技術移転機関)機能の相互利用による知的財産の国際展開を含む包括的な国際産学連携協定を締結した。同日、東京都新宿区のブリティッシュ・カウンシル東京で調印式と記者会見を行った。

 バイオという共通分野で強みを持つ両大学が、情報を共有して新技術や産業を創出したり、大学発ベンチャーを相手国で展開する際に相互協力することでメリットがあると判断した。すでに2006年1月から教員と学生の交流協定を結んでいたが、協定の範囲を大きく拡大することにした。教育研究と共同研究を促進し、相互に連絡事務所を設置する。また、教員や学生だけでなく、事務職員研修をブライトンで行うことで、農工大は大学の国際化への第1ステップとしたい考えだ。異文化理解のための語学教員の相互派遣でも合意した。

 記者会見で、農工大の小畑学長は「ベンチャー企業創出と産学連携では進んでいる本学は、国際化ではまだまだ遅れている。ブライトン大学との連携で、世界をリードする人材を育て、国際的な大学としての実績を積みたい」と意欲を見せた。ブライトン大学のジュリアン・クランプトン学長は「すぐれた研究者は世界的なネットワークで研究している。大学は単なる地元や国レベルではなく、世界規模の資源であるべきだ」と連携の効果に期待を込めた。【了】

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東京農工大学
University of Brighton

歌声から知る「子どもの権利」

子どもの権利について考えるチャリティーコンサート「ハートぽっぽ」に出演するタレントのはなさん(中央)と歌手のフランシス・マヤさん(右)らアムネスティ、チャリティーコンサートを開催

国連が定めた「世界子どもの日」の20日、人権団体アムネスティ・インターナショナル日本が子どもの権利について考えるチャリティーコンサート「ハートぽっぽ」を、東京都新宿区の区立新宿文化センターで開いた。

 同コンサートは、1989年に国連で採択され、世界中のほぼすべての国が加盟しているにもかかわらず知名度の低い「子どもの権利条約」の存在を知らせ、子どもの権利が十分に守られていない世界の実情を伝えるために企画されたもの。収益の一部は、児童労働に反対する活動家で、「グローバルマーチ」代表のカイラシュ・サティヤルティさんがインドで運営する子どものためのリハビリ施設に寄付され、図書館の蔵書購入費用などに充てられるという。

 会場では、タレントのはなさんが『子どもによる子どものための「子どもの権利条約」』(小学館)を朗読。フランシス・マヤさんらミュージシャン4人が条文の内容に合った歌を力いっぱい歌うと、聴衆から大きな拍手が起こった。はなさんは朗読後、「シンプルに書かれていて読みやすいのに、重い言葉。大人の私にも響くメッセージで、私自身も深く考えさせられた」と感想を語った。【了】

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児童労働、日本も無縁でない(6/9)

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『子どもによる子どものための「子どもの権利条約」』(livedoor ブックス)

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アムネスティ・インターナショナル日本

2006年11月20日

孫SB“隠し球”は期待ハズレ?

20日に発表されたソフトバンクの新携帯端末。厚さ11.9mmの「707SC」(左)と、アクオスケータイ「911SH」(撮影:吉川忠行)秋冬商戦向け、最後の2機種を発表

史上最多の15機種、65色――。ソフトバンクモバイル(東京都港区、孫正義社長)が秋冬商戦向けに発売する携帯電話の端末シリーズの全貌が20日、明らかになった。同社の孫社長が“隠し球”と呼んでいた最後の2機種が、東京都港区のホテルオークラ東京で開いた新機種説明会で発表された。

 発表されたのは、厚さ11.9mmの折りたたみ型3G端末「707SC」(サムスン製)と、3.0インチ“大画面”液晶搭載で厚さ22mmのワンセグ搭載3G端末「911SH」(シャープ製)。「707SC」は12月上旬以降、「911SH」は11月25日に発売される。どちらも“薄さ”が最大のウリで、太田洋専務は「スリムケータイ=ソフトバンクを目指します」と高らかに宣言した。

 「707SC」は、Bluetoosh通信に対応しており、別売りのヘッドセットがあればワイヤレスで音楽を楽しめる。また、定型文を英語・中国語・韓国語で読み上げる機能や英和辞書などが搭載されており、海外旅行や出張時に役立つという。

 「911SH」は、端末の本体を開いた状態で液晶画面を横方向に90度回転できる「サイクロイドスタイル」を採用した、「アクオスケータイ」の2番目のモデル。テレビ番組表からの録画予約や、録画した番組の気に入ったシーンだけを切り取って保存する編集機能などもついた。また、画質と音質を「標準」「ダイナミック」「映画」の3モードから選ぶこともできる。

 “隠し球”とされた2機種のインパクトは、“薄”かったと言わざるをえない。とりわけ印象的な機能が搭載されたわけではないし、報道陣に期待を持たせた孫社長自身が、説明会には姿を現さなかったからだ。広い会見場には空席も目立ち、報道陣からの質問も制限時間内にすべて終了してしまった。“予想外”の内容を期待する記者の中から、「どこが“隠し球”なんだ」と不満の声も聞こえた。

 「薄いのは髪の毛ではなく、端末です」。今月初めの会見でそう笑いを誘った孫社長。会見内容まで薄くする必要はないのでは?【了】

2006年11月17日

MS、有害サイトブロックを開始

ベータ版をリリース、正式版は来年を予定

マイクロソフト(東京都渋谷区、ダレン・ヒューストン社長)は17日、インターネットを利用する際に有害サイトへのアクセスを防ぐコンテンツフィルタリングサービス(ベータ版)の無償提供を始めたと発表した。

 特設ウェブサイトで専用ソフト「OneCare Family Safety」をダウンロードし、パソコンにインストールして利用する。「爆弾」「タバコ」「アルコール」など13カテゴリーと、年齢による5段階でフィルタリング設定が可能で、保護者の意向に応じて、子どもにとって害のあるページや有料課金されるページなどの閲覧を防げる。また、サイトへのアクセス履歴やアプリケーションのダウンロード履歴を、「オンライン活動レポート」として確認する機能もある。

 正式版は来年半ばまでにリリース予定。正式版では、メールやメッセンジャーなどでコミュニケーションを取る相手を管理することもできるようになる。ただし、対象は同社が提供する「Windows Live」関連アプリケーションのみ。

 その他、ヤフー<4689>なども来春から会員向けに、有害サイトのフィルタリングサービスを無料で提供すると発表している。【了】

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ネット普及で深刻な児童ポルノ

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Windows Live OneCare Family Safety

2006年11月16日

古書の魅力をあなたにも

国内最大の古典籍オークション「古典籍展観大入札会」会場には、2142点の古典籍が並ぶ。写真右は、江戸中期の『わらひ草 どうけ謡かる口』オークションを前に、貴重な古典籍を一般にも公開

普段は博物館などで眺めることしかできない古文書や古地図を、手に取って見られる――。国内最大の古典籍オークション「古典籍展観大入札会」(東京古典会主催)が、17日から20日までの4日間、東京・神田の東京古書会館で開かれる。

 古典籍とは江戸時代以前を中心とした版本、写本、地図、錦絵、古文書など。全国の古本屋や収集家などが和漢古典籍の名品2142点をオークションに出品している。初めの2日間は、一般客も入札に参加が可能。“日本の誇り”とも言えるすべての出品物を、実際に手に取って間近で見ることができる。

 今回、特に注目されているのは、平安時代の仏教説話集『三宝絵詞』を歌人・源俊頼(1055-1129)が書写したものを掛け軸に装丁し直した『東大寺切 三宝絵詞断簡』。『三宝絵詞』の書写としては現存最古で、平安時代の優雅さを伝える筆致が魅力だ。また、江戸中期に刊行された“絵本のルーツ”ともいえる『わらひ草 どうけ謡かる口』は、子ども向けにもかかわらず原装のまま残った保存状態のよい作品で、非常に価値のある一品だという。

 入場無料。一般公開は、17、18日の2日間。17日は午前10時から午後6時まで、18日は午前10時から午後4時半まで。【了】

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古典籍展観大入札会

au、デジタルラジオ端末を発表

12月上旬に発売するauのデジタルラジオ端末「W44S」(撮影:吉川忠行)放送波を使った楽曲のダウンロードも

KDDI<9433>は16日、国内で初めてデジタルラジオに対応するauの新携帯端末を12月上旬に発売し、それに合わせて放送波を使って楽曲などのファイルをダウンロードできる「通信放送融合型マルチメディアサービス」を開始すると発表した。

 同サービス提供に協力するエフエム東京(東京都千代田区、後藤亘社長)とレーベルゲート(東京都港区、今野敏博社長)と、東京都港区のホテルオークラ東京で共同発表会を行った。エフエム東京は12月1日からデジタルラジオ放送をスタートし、レーベルゲートは携帯電話向けにビデオクリップ配信サービスを始める。発表会では、FMラジオ機能付き携帯の普及台数が9月に1000万台を超えたことなどが紹介され、各社の代表者らは「新たなラジオ放送の楽しみ方を提案したい」などと、可能性に期待を込めた。

 デジタルラジオ対応端末第1弾は、ソニーエリクソンの「W44S」。ワンセグや楽曲を映像とともに楽しめる新サービスの「LISMO ビデオクリップ」などの映像メディアサービスにも対応している。同端末は縦にも横にも開閉が可能で、電話・メール機能を利用する場合は縦に、動画や音楽の再生時は横に開くなど用途に応じて使い分けることができる。オープン価格だが、実売額は2万5000円前後の見通し。

 発表会に出席したKDDIの小野寺正社長は「常に“一歩先”を行く音楽サービスを提供していきたい」と笑顔を見せた。競合キャリアの追随への対抗策を問われると、「他社がやるのは普及のために必要なことで、歓迎したい」と語った。また、携帯電話の販売奨励金については「いいと思っているわけではないが、デジタルラジオやワンセグを率いているのは携帯の端末。奨励金をやめると普及も進まず、日本経済の発展につながらない」とし、継続は必要との認識を示した。【了】

2006年11月15日

都心のただ中でフィンランド

「フィンランド・カフェ」では、同国の本格的な料理が食べられるアークヒルズで「フィンランド・カフェ」開催中

フィンランド文化の一端に触れることができる「フィンランド・カフェ」(フィンランド政府観光局主催)が、東京都港区のアークヒルズで開かれている。12月2日まで。

 日本ではほとんど手に入らない雑貨や、珍しいデザインの家具や服飾品を並べてあり、「フィンランドの今」を垣間見ることができる。毎年秋に開催されており、5年目の今年は例年の2倍以上のスペースを確保し、1万5000人の来客を見込んでいる。

 カフェスペースは、同国デザインの巨匠アルヴァ・アールト氏(故人)の設計に基づいて調度品を製造しているアルテック社の協力で構成。ヘルシンキ・マーケットのサーモンスープやベリーをたっぷりのせたタルトなど、本格的なフィンランド料理を堪能できる。

 併設のヘルシンキ・スーパーマーケットでは、世界一“まずい”飴として売り出し中の「サルミアッキ」やムーミンをデザインした文房具、ネーミングが面白い「ゲイシャ・チョコ」などが人気を集めている。また、デザイナーが手作りした一点もののカバンなどを手にする人も多く、“ここにしかない”ものを求めるリピーターが年々増えているという。

 同観光局日本局長の能登重好さんは「フィンランドが好きな人よりも、フィンランドのことを知らない人に来て欲しい。デザインや音楽などを入り口として、フィンランドの魅力を知って欲しい」と、カフェ開催の目的を語る。「歴史の遺産より、現在の姿が面白い」。都心で気軽に、フィンランドを体感しよう。【了】

■特集・晩夏のひと時――北ヨーロッパ紀行
(1)トナカイ肉は美味しい!
(2)世界遺産なのに落ち着ける島
(3)フィンランドの"未来委員会"
(4)船旅はエンターテインメント

ウィルコム、定額制に自信

10月の新経営体制発足後初めての記者説明会を開いたウィルコムの喜久川政樹社長(撮影:吉川忠行)喜久川新社長ら就任後初の会見

ウィルコム(東京都港区)の喜久川政樹社長は15日、東京都港区の虎ノ門パストラルで10月の新経営体制発足後初めての記者説明会を開き、「(携帯電話と比較して)ウィルコムはPHSだから別世界という人がいるが、いい意味での別世界を作りたい」と、独自の特長を生かす方針を述べた。

 同社は8月以降、経常損益ベースで単月黒字を達成。喜久川社長は、規模が巨大なほど有利と言われる通信業界で小規模な会社が反転攻勢できていると自信を示した上で、「他社があきらめる中、十数年前からPHSの可能性を信じ続けた成果が出た。小さくても成長できることを証明するチャレンジ精神と顧客志向の徹底で、使いやすいサービスを実現したい」と抱負を語った。

 携帯電話の番号ポータビリティ(MNP)が10月24日に始まったことを受けて、同社サービスへの音声通話の新規加入者は1割程度減少したという。この影響について喜久川社長は「その傾向は徐々に戻っている。我々はMNPの対象外だが、070で始まるPHSの番号は、番号でキャリアを識別しにくい携帯電話よりずっと分かりやすい」と、“注釈のいらない”分かりやすさを強調した。同社は10月20日から、定額プランの無料通話の対象者を、ウィルコム以外のPHS事業者を含むすべての070番号にまで拡大している。

 ソフトバンクの“0円戦略”を前面に打ち出した“定額制”についての問われると、「他社のことはあまり言いたくない」と前置きしながら、「我々は夜6時半から報道発表はしない。できるだけ真面目にやりたい」とチクリ。同席した土橋匡副社長も、ソフトバンクの定額制について「(ソフトバンクが“定額制”の対象外として時間制限を設けている)午後9時から午前0時59分に、全トラフィックの55%が集中している。この時間を定額にしないと」と、元祖“定額制”の余裕を見せた。【了】

2006年11月14日

いろいろなヌーボーを楽しもう

銀座三越では、日本酒などのヌーボー(できたての新酒)を試飲するキャンペーンをしている。銀座三越で、焼酎や日本酒の新酒試飲キャンペーン

できたての酒を存分に味わおう――。銀座三越(東京都中央区)では、仏ボジョレ地方でその年の秋に収穫したブドウでつくる新しいワイン「ボジョレ・ヌーボー」の解禁日を前に、さまざまな新酒を集めたキャンペーン「ヌーヴォー・ヌーヴォー・ヌーヴォー」を行っている。

 13日までは、さつま芋と黒麹を用いた「黒伊佐錦 無濾過新酒」(大口酒造)や「海童 祝の赤」(濱田酒造)など7種類の新しい焼酎を試飲でき、若い女性にも人気があった。また、ヌーボー解禁前夜の15日までは、今年収穫した新米を使ったできたての日本酒「白龍吟醸 生原酒 しぼりたて無濾過」(新潟白龍酒造)を展示。昼は団塊マダムから80歳のお年寄りまで、夕方以降は近隣のOLが多数来店したという。

 開催期間終了を前にほとんどが売り切れてしまう盛況ぶりで、ボジョレだけでない“ヌーボー”の販売キャンペーンは成功を収めたようだ。同キャンペーンを行うリカーショップ「ラ・カーヴ」ショップマスターの田中秀明さんは「秋はワインだけでなく、焼酎や日本酒の新酒も味わえる季節。リピーターも出てきたので、新酒3連発をキャンペーンとしてしっかり固めたい」と期待を込めた。

 “ヌーボー”はボジョレだけではない。秋の味覚として、新しい酒にチャレンジしてはどうか。【了】

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“悪魔”がボジョレに殴り込み

2006年11月13日

日立、GEと原発で新会社設立へ

13日、共同出資の新会社設立を発表しがっちりと握手を交わす日立の古川一夫社長とGEエナジー原子力事業部門アジア担当プレジデントのルドルフ・ビラ氏来年上期中に日米で

日立製作所<6501>と米ゼネラル・エレクトリック(GE)は13日、原子力事業での世界的な戦略的提携と、日本と米国に相互出資の新会社を設立することで合意したと発表した。これまでも提携関係にあった両社は関係を強化し、世界的に拡大が見込まれる原子力事業を優位に進めるのが狙い。

 両社は2007年上期中をめどに最終的な契約を結ぶ。それぞれの原子力事業部門を母体とした新会社を日本(日立80%以上、GE20%以下を出資)と米国(日立40%、GE60%を出資)に設立し、改良型沸騰水型原子炉(ABWR)などの原子力事業の世界市場でのシェア拡大を目指す。新会社の設立方法や両社の運営方針、名称などは今後検討するとしている。

 同日、東京都千代田区のホテルニューオータニ東京で開いた会見で、日立の古川一夫社長とGEエナジー原子力事業部門アジア担当プレジデントのルドルフ・ビラ氏はがっちりと握手を交わした。原子力事業では合従連衡の動きが活発になっており、10月に東芝<6502>が米ウェスチングハウス(WH)を買収したほか、三菱重工業<7011>は提携先のWHが東芝傘下に入った後、同月仏アレバと中規模原子力発電プラントの共同開発で合意している。【了】

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“悪魔”がボジョレに殴り込み

サンクトガーレンがボジョレ・ヌーボー解禁日にあわせて発売する長期熟成ビール「エル・ディアブロ」(同社提供)サンクトガーレン、解禁日に熟成ビールを発売

11月の第3木曜日と言えば?――。仏ボジョレ地方でその年の秋に収穫したブドウでつくる新しいワイン「ボジョレ・ヌーボー」の解禁日としてすっかり有名になった。今月は16日がその日に当たるとして、酒類販売店やレストランが盛んに宣伝を行っているほか、マスコミの報道も加熱してきた。

 そんな状況に業を煮やしたビール会社「サンクトガーレン」(神奈川県厚木市、岩本伸久社長)が、ボジョレ解禁日に、“悪魔”のビールを発売すると発表した。「熟成するのはワインだけじゃない!」と、ボジョレブームに殴り込みをかけたのだ。

 同社が16日に発売する「エル・ディアブロ」(悪魔という意味)は、一般のビールに比べてホップを約6倍、麦芽を2.5倍使用した“リッチ”なビール。熟成にも一般ビールの6倍となる3カ月以上をかけており、さらに寝かせておくことで味が変化していくという。味わいも濃厚で、甘さは同2.5倍、苦さが同4倍(同社調べ)。アルコール度数は約10%で、「“悪魔”と呼ぶにふさわしい」(同社)という。

 “悪魔”はブームに対抗できるのか。「エル・ディアブロ」は、横浜タカシマヤや丸井ファミリー各店など、神奈川県と東京都の酒販店で3000本限定で発売される。【了】

2006年11月12日

“巨匠”が語る平和への道(3)

「広島国際平和会議2006」 ダライ・ラマ14世発言要旨

広島市中区のアステールプラザで今月1-2日に開かれた「広島国際平和会議2006」で、チベット亡命政府の最高指導者のダライ・ラマ14世が講演し、1人ひとりが背負う「普遍的な責任」について語った。要旨は以下の通り。

チベット亡命政府の最高指導者ダライ・ラマ14世(撮影:吉川忠行)

 有史以来、私たち人間は他人とともに社会生活を営んできており、個人の幸福はその人が属する社会に依存している。社会が幸せで繁栄していれば、その中に住む個人も幸せで、繁栄を享受できる。逆に、社会全体が苦しみにあえいでいる場合は、個人も労苦を背負うことになる。

 イラク戦争は原油の高騰をもたらし、世界経済全体が悪影響を受けている。現在、世界は相互依存関係にあり、私たちは人口爆発、経済のグローバル化、環境問題などの「新しい現実」に直面している。世界全体を1つの社会というか、1つの家族として捉えることが非常に重要だ。人間性を考えるに際しても、国や地域などのレベルでのみ考えるのではなく、世界全体のことを念頭に置いて「普遍的な責任」を個人個人が背負っていることを意識すべきだ。

 私たちはある種のグループを“敵”と呼ぶ習性があり、その“敵”に対するものとしての暴力が戦争を呼ぶ。通常、人を殺せば罰として刑に服さねばならないが、戦争は合法的な暴力として認められていることにより、何千人もの殺戮(りく)が起きても、法律的に守られ、正しいと信じるような間違いが許されている。

 知性が備わっているがゆえに、人間は愚行を繰り返してきた。知性は科学技術をもたらし、人間はほかの動物と異なる進化を遂げたが、自らの持つ力を悪い方向に用い、私たち自身で破壊的な惨事を発生させているのが実情だ。自分の隣人を害することは、自分を害することにつながるという「新しい現実」の特性に気づかねばならない。

 私たち一人ひとりは、宗教も、民族も、年齢も、考え方も違う。しかし、すべての人に共通していることもある。誰もが「苦しみをなくし、幸せになりたい」と思っているのだ。

 自分のことだけを考えて、「世界は平和で美しい」と思い込むのは間違っている。地域でのみ政治を考えていては、世界全体の幸せや平和の準備をすることはできない。世界のどこかに苦しみが存在する限りは、私たちはその悲劇を自らの体験として感じていかなければならないし、それを取り除く責任を負っている。誰かが死んでいるのを目にして、それに無関心であるとしたら、人間とは言えない。知性を持つ人間こそ、他人への思いやり、慈悲の心を持って欲しい。

 人間は生まれながらに、思いやりや慈悲の心を持っている。自分にはっきりした意識や自我がない時期から、母という存在が与えてくれる献身的な愛情を受けているので、他者への依存が必要だという人間の本質を知っているはずだ。怒りに震えたときには、それぞれが温かい“心の種”を持っていることを思い出してほしい。【了】

ダライ・ラマ14世 1935年チベット・アムド地方のタクツェル村生まれ。39年、ダライ・ラマ13世の転生者として認定され、ラサのポタラ宮殿で英才教育を受けた。59年に隣国インドに政治亡命し、チベット亡命政府を樹立。チベット情勢の平和的解決に向けたプランの中で、同地を非暴力地帯にする構想を発表し、89年にノーベル平和賞を受賞した。チベットの解放と、チベット文化や宗教、伝統の保全活動に努めている。

■シリーズ・“巨匠”が語る平和への道
(1)デズモンド・ツツ
(2)ベティ・ウィリアムズ
(3)ダライ・ラマ14世

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2006年11月11日

“巨匠”が語る平和への道(2)

「広島国際平和会議2006」 ベティ・ウィリアムズ発言要旨

広島市中区のアステールプラザで今月1-2日に開かれた「広島国際平和会議2006」で、紛争や貧困などから子どもと女性を守る活動を展開しているベティ・ウィリアムズ氏が講演した。普通の主婦から子どものために活動を始めて、ノーベル平和賞を受賞するに至った同氏は、存在する恐怖を変えていくための努力と勇気の必要性を訴えた。発言の要旨は以下の通り。

北アイルランド出身のベティ・ウィリアムズ氏(撮影:吉川忠行)

 北アイルランドの首都・ベルファストで30年前、激化していた紛争に巻き込まれて3人の子どもが殺されるのを見た。その時に「あれが自分の子どもだったら。何かできることをしなければ」と感じて始めた活動が、一介の主婦に過ぎなかった私がノーベル平和賞を取るきっかけになった。

 非暴力の平和を実現しようとして、それができる人は素晴らしいが、私は完全なる非暴力主義者ではない。子どもが傷つけられているのを見て、怒りの感情がどうしても生まれてきた。しかし、怒りの感情をプラスの方向に変えていけるよう、努力を続けた。何をなすべきか考え、平和は自分の中から生まれることを知った。自分や家族が平和な状態になければ、平和は広がって行かない。

 私はキリスト教徒だが、罪のない人間ではない。自分の額にこれまでに犯した罪がすべて書かれているとすれば、公共の場には出て行けないほどだ。そんな私が腹立たしく思うのは、神を愛すると述べる一方で、神の名の下に殺戮を行っている人がいること。伝統と信仰を継承している主教たちが、妊娠中絶を非難する一方で、戦争による破壊に目をつぶっているのがそのいい例だ。

 毎日この世界で殺されている人の大半は、神からの小さな贈り物、貴重な子どもの命だ。純粋で愛らしく、無力な赤ちゃんが、生まれて間もなく人の手による死を迎えている。この豊かな時代に、年間に1400万人もの子どもが、飢餓による空腹や予防可能な病気で命を落としている。2001年9月11日の米国同時多発テロでは、アラーの名の下に3000人が殺された。しかし、同じ日に3万5615人もの子どもが飢えで亡くなったことを誰も話題にしなかった。

 こうした状況にあるにもかかわらず、多くの国では食べ物の代わりに武器を増やすことを選択している。最大数の核兵器を持ち、世界一の弱いものいじめをしている米ブッシュ大統領は、自国に飢えている人々が4500万人いて、そのうち子どもが1700万人もいることを知らないのか。同じく核兵器を持つインドは、人口を把握できないほどの状況の中で何百万人もが飢えており、特に女性や子どもが影響を受けているのに核兵器保有の道を選んだ。また、数百万人が飢えている北朝鮮も、先日核実験を行った。

 残念ながら、現在提示できるのは悲劇的な数字しかない。今こそ、この耐え難い痛みと死の状況を一変させ、罪なき人々の苦しみの説明責任を政府に迫るべきだ。創造の神の名を語り、または、大権力者の正義を理由に、殺戮(りく)や破壊の理由とすることを止めなければならない。

 献身、努力、勇気を持って、この世界で毎日続いている恐怖を変えていくことが、私たち人間に求められている。【了】

ベティ・ウィリアムズ 1943年英国・北アイルランドのベルファスト生まれ。普通の主婦だったが、76年夏に同地の紛争に巻き込まれて3人の子どもが殺される姿を目撃して衝撃を受け、平和を求める署名運動を開始。女性を中心に草の根レベルで活動が広がり、同年のノーベル平和賞を受賞した。その後も、女性と子どもを守る活動を継続、97年に「子どもたちに愛情を与える国際世界センター」を創設した。

■シリーズ・“巨匠”が語る平和への道
(1)デズモンド・ツツ
(2)ベティ・ウィリアムズ
(3)ダライ・ラマ14世

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2006年11月10日

“巨匠”が語る平和への道(1)

「広島国際平和会議2006」 デズモンド・ツツ発言要旨

広島市中区のアステールプラザで今月1-2日に開かれた「広島国際平和会議2006」で、南アフリカでアパルトヘイト撤廃に尽力し、1984年にノーベル平和賞を受賞した南アフリカのデズモンド・ツツ大主教が講演を行った。要旨は以下の通り。

南アフリカのデスモンド・ツツ大主教(撮影:吉川忠行)

 広島は、原子爆弾を投下されるという悲惨な経験をしたが、これから立派に立ち直った。人びとが持っている、憎しみを乗り越える精神力や許しを与えた寛容さは、驚くべきものだ。平和記念公園に行って“あやまちはくりかえしませぬから”という文字を見て、どこにも、誰に対しても、自らが体験した苦しみを与えないという決意を知って感銘を受けた。

 南アフリカでも同様の方法で「憎しみ」を乗り越えることに成功した。多くの人は混乱を予想し、実現不可能だと言ったが、国際社会の支援もあり、アパルトヘイト(人種隔離)撤廃後の和解を達成した。「忘れる」のではなく、「真実を知る」ことを重視したことが、偉大な成功をもたらした。

 多くの人が虐殺され、死体を焼いている横でバーベキューを楽しむような、恐ろしい光景もあった。悲惨な現実から目をそらし、「過去は水に流そう」という人もいる。しかし、忘れることは良い結果をもたらさない。忘れた者は、それを繰り返すからだ。現在の中東では、復讐が連鎖している。

 悪をまっすぐに見据えること。傷を癒やすには、傷口を開き、消毒し、絆創膏(ばんそうこう)を貼るしかないと決意した。罪に対して刑罰を与える「復讐の正義」のほかに、被害者と加害者と社会の関係修復という観点から罪に対処する方法を考える「修復の正義」というものがある。

 罪を犯した人を、そうでない人と同じように大切にする。罪を犯した人がいつまでも殺人鬼でいるわけではなく、人は変わることができる。敵だった人でさえ、友人になることができる。南アフリカではこれが実現できた。世界のほかの場所でも、できるはずだ。

 南アフリカに「ウブントゥ」という単語がある。これは、“人は人のために生き、孤立しては生きていけない、配慮し、助け合って生きる”という人間観を表したもの。この単語を英語に訳すのは難しいが、こうした考えを理解して初めて、「ともに生きる」ことができる。

 目を覚まして欲しい。私たちは、人類という家族の一員だ。思いやりに満ちた世界の実現を手伝ってほしい。【了】

デズモンド・ツツ 1931年南アフリカ・ケープタウン生まれ。南アフリカのアパルトヘイト解決に向けた指導的な役割を評価され、84年にノーベル平和賞を受賞。94年にアパルトヘイトが法律上廃止された後、黒人などが受けた人権侵害を調査する「真実和解委員会」の委員長に就任。南アの人びとの和解に寄与した。

■シリーズ・“巨匠”が語る平和への道
(1)デズモンド・ツツ
(2)ベティ・ウィリアムズ
(3)ダライ・ラマ14世

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広島でダライ・ラマ師講演

2006年11月 9日

「核実験、世界の核廃絶のため」

9日、日本外国特派員協会で講演した朝鮮総連の徐忠彦国際局長朝鮮総連の徐忠彦国際局長が講演

朝鮮総連の徐忠彦国際局長は9日、東京都千代田区の日本外国特派員協会で講演し、「私は北朝鮮の核実験に反対しない。北朝鮮が核を利用する目的はただ1つ、アメリカを含むすべての国が保有する核兵器を廃絶することだ」と語った。

 徐局長は講演の冒頭で、核実験を行うに至ったのは、米国のブッシュ大統領が北朝鮮を正しく理解せず、政策を誤った結果だと強い調子で断定した。「対話こそが問題解決の唯一の方法」と前置きした上で、「アメリカと北朝鮮は、休戦協定を結んでいるだけでいまだ戦争状態にある。合法的なアプローチは受け入れるが、公海上での船舶検査などの違法行為は戦争の開始を意味するので、慎重になるべきだ」と情勢が緊迫した状況にあることを強調した。

 また、日本について「単独で経済制裁の範囲を広げた、世界で最も敵対的な国とみている」と同じ調子で非難した。国内の総連施設に対する固定資産税の減免措置中止やマスコミの北朝鮮報道が、在日北朝鮮人への嫌悪感を助長していると述べた。民族服チョゴリを着るのを控えたり、公共の場で朝鮮名の代わりに日本名を使わざるをない状況にもなっており、「植民地時代に戻っているような状況だ」とも話した。

 日本政府が決めた貨客船“万景峰号”の日本の港湾への入港禁止については、「赤十字や祖国を訪ねる修学旅行生が利用する人道的な船である」とその一側面を紹介した。「修学旅行に行けないことはそれほど大きな問題とは思えない。ほかにどんなインパクトがあるのか」との記者からの質問には、明確な答えは示さなかった。【了】

2006年11月 8日

ソフトバンク中間、最終黒字に転換

8日、06年9月中間期決算説明会で、携帯電話事業についての質問に言葉を濁す孫正義ソフトバンク社長(撮影:吉川忠行)2006年9月中間期連結決算で

ソフトバンクが8日に発表した2006年9月中間期連結決算で、純損益は144億3900万円の黒字(前年同期は41億8200万円の赤字)だった。8月にSBIホールディングスの全株式を売却したことによる売却益を692億600万円計上したことなどによる。

 売上高は前年同期比2.1倍の1兆1201億7300万円だった。ボーダフォンの日本法人(現ソフトバンクモバイル)を4月に買収した効果で、携帯電話事業で5844億5900万円を上乗せ。経常損益は、626億9000万円の黒字(同134億8300万円の赤字)で、創業以来最高だった。携帯電話事業で566億3500万円の営業利益を計上したほか、ブロードバンド事業でも収益が改善した結果、ボーダフォン買収による借入金の支払利息や手数料などを吸収できた。

 同日、東京都千代田区の帝国ホテル東京で会見した孫正義社長は、「営業利益や経常利益などで創業以来最大の利益水準を達成した」と満足そうに語った。携帯電話の番号ポータビリティ(MNP)導入でシステムトラブルが続いたことについては「すべて自分に責任がある。大きな山場は越えたので、これからの長い戦いをしっかり戦い抜きたい」と、いつもと変わらない前向きな姿勢を見せた。

 また、10月の加入者数の増減について「MNPのトラブルなどによる顧客減少はあったものの、MNP以外の新規加入数が解約数を上回っており、10月は2万3800の純増だった。また、11月も最初の1週間で2万8000件純増している」と、“人気”を強調した。しかし、質疑応答で記者から、携帯電話の契約数は全体で伸びており、KDDIやドコモの純増数がソフトバンクモバイルのそれを上回っていると指摘されると、孫社長は「ボーダフォン時代は純減している時期もあった。料金体系などで理解され、それが回復につながっていると感じている。競争は始まったばかりであり、新しい端末や営業体制に期待して欲しい」と苦しい“答弁”に。【了】

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2006年11月 7日

SB孫社長、世界最大のSNSを輸入

7日、都内のホテルで世界最大のSNS「MySpace」の日本版オープンを発表する(左から)米ニューズコーポレーションのマードック会長、ソフトバンクの孫社長、クリス・デウォルフ米マイスペースCEO、トム・アンダーソン同社長、マイスペース日本法人の香山誠社長米ニューズコープのマードック会長らと会見

ソフトバンク(SB)の孫正義社長は7日、世界最大のSNS(ソーシャルネットワーキングサービス)「MySpace」(マイスペース)の日本版をオープンすると発表した。マイスペースの100%株主である米メディア大手ニューズコーポレーションのルパート・マードック会長らと東京都千代田区の帝国ホテル東京で会見を開いた。

 SBとニューズ社は、折半出資で来週明けまでに新会社を設立する。資本金は5億9000万円で、ソフトバンク・ヒューマンキャピタル代表取締役の香山誠氏が社長に就任する。

 マイスペースは全世界での登録ユーザー数が1億2500万という超巨大SNS。日本最大手のミクシィなど国内の多くのSNSが固定されたフォーマットに文字や静止画像を掲載するスタイルであるのに対し、マイスペースはデザインをカスタマイズしやすく、簡単に音楽をサイトにアップできるのが特徴。また、招待制ではなく、自分で登録すればメンバーになれる。ただし、著作権などに関しては交渉中で、音楽サービスの今後の展開については「法令を遵守する」(香山社長)と述べるにとどめた。

 孫社長は「マイスペースはサービス開始から2年半で、米ヤフーに次ぐ、世界第2位のサイトに成長した。1つのメディアで、これだけのスピードでユーザー数が増えたのは未曽有(みぞう)の事例」と話し、日本版のユーザー数の伸びにも期待を込めた。また、ソフトバンクモバイルでマイスペースへの対応を急ピッチで進めていることを明かし、他のキャリアにもオープンにしていきたいと、携帯ユーザーの取り込みについても意欲を見せた。

 一方で、マイスペース日本版は米マイスペースとIDを共通にするわけではなく、会員獲得はゼロからのスタートだ。登録会員専用のシークレットライブを開催するなど、米国で流行しているさまざまな仕掛けを日本でも積極展開するほか、日本の顧客に合ったサービスを展開することで、「やる以上は、SNSでもナンバーワンになるつもりで頑張る」(孫社長)とのことだ。【了】

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マイスペース日本版

NHK紅白歌合戦の審査員を募集

今年から“ワンセグ”審査員も

日本放送協会(NHK)は7日までに、大みそかに放送する「第57回NHK紅白歌合戦」の“審査員”募集について発表した。今年は4月1日から始まった地上デジタル放送「ワンセグ」でも投票できる。

 NHKが募集するのは、ワンセグ放送の双方向機能で投票する「ワンセグ審査員」(定員1万5000人)と、携帯サイトからアクセスして投票する「ケータイ審査員」(定員1万5000人)、生放送中でも飛び入り参加ができる「デジタルTV審査員」(定員なし)の3種類。11月20日から申し込みを受け付ける。今年は「ワンセグ審査員」が新たに加わったほか、「ケータイ審査員」の定員も増えたため、“審査員”になるチャンスが広がった。

 それぞれの“審査員”に応募した人の中から各10人ずつを、紅白歌合戦が行われるNHKホール(東京・渋谷)に招待するという。【了】

2006年11月 6日

マクド、「社会貢献の文化を」

6日、センチュリーハイアット東京で記者発表会に臨む(左から)日本マクドナルドの原田泳幸社長、英ヨーク公爵夫人のセーラ・ファガーソンさん、マクドナルド財団のケン・ベーランCEO20日まで、チャリティーキャンペーンを実施

日本マクドナルドは6日、難病に苦しむ子どもとその家族のための宿泊施設を運営する財団支援を目的にした“マクドナルド「世界子どもの日」チャリティーキャンペーン”を、同日から20日まで実施すると発表した。

 同キャンペーンは、国連が定める「世界子どもの日」(11月20日)に向けたもので、世界100カ国以上のマクドナルドで同様のキャンペーンが展開される。国内では、マクドナルド全店に募金箱を設置するほか、ハッピーセット売り上げ1つにつき1円を募金する。寄金は、同社が運営する財団法人ドナルド・マクドナルド・ハウス・チャリティーズ・ジャパンに寄付される。

 同日、東京都新宿区のセンチュリーハイアット東京で開かれた記者発表会で、同社の原田泳幸(えいこう)社長は、「企業のPR活動としてやっているつもりはない。世界に比べると、社会貢献活動の意義が日本ではあまり理解されていない」と述べ、キャンペーンなどで活動を拡充することで“自主的に社会貢献を行う文化の醸成”を促進したいとした。

 また、マクドナルドの2006年「世界子どもの日」親善大使として同席した英ヨーク公爵夫人のセーラ・ファガーソンさんは「昨年から大使を務め、難病の子どもたちの勇気と、子どもたちが伝えてくれる感謝の思いが心に残っている。苦しんでいるはずの子どもたちが、多くのことを教えてくれた」と、大使としての活動の手応えを語った。【了】

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2006年11月 2日

「アメリカに加担しないで」

ノーベル平和賞受賞者3人、イラク戦争の違法性を訴え

ノーベル平和賞を受賞した3人が2日、広島市中区のアステールプラザで会見し、イラク戦争は違法だったと訴え、日本の安倍晋三首相に「弱い者いじめをするアメリカの連合に加担しないで欲しい」との意見を述べた。

 南アフリカ出身のデズモンド・ツツ大主教は、アメリカが中心となって展開したイラク戦争について、国連の承認なしに一方的に宣戦布告したことを非難し、「やり方が道義に悖(もと)る」と語った。北アイルランド出身のベティ・ウィリアムズ氏は、法に基づかない侵攻が多数の子どもの命を奪ったとし、「1000年以上かけて培ったものがブッシュ大統領らに壊された」と嘆いた。

 チベット亡命政府の最高指導者ダライ・ラマ14世は、米国同時多発テロの直後にブッシュ大統領に「考え直してほしい」という手紙を書き、警告を発したことを打ち明けた。「1人を殺すという行為により、周りにいる10人が悲しみ、憎しみを持つ」と説明し、憎しみは増加する傾向にあり、テロへの報復は解決につながらないと述べた。【了】

2日、広島市内で開かれた記者会見でカメラにおさまる(左から)ダライ・ラマ14世、ベティ・ウィリアムズ氏とデズモンド・ツツ大主教。(撮影:吉川忠行)

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「広島国際平和会議2006」が閉幕

2日、広島市で開かれていた「広島国際平和会議2006」の閉幕に際して共同宣言を読み上げる(左から)ダライ・ラマ14世、デズモンド・ツツ大主教とベティ・ウィリアムズ氏。(撮影:吉川忠行)

ダライ・ラマ14世らノーベル平和賞受賞者3人が集い、広島市中区のアステールプラザで開かれていた「広島国際平和会議2006」(同会議実行委員会主催)が2日、閉幕した。“平和の巨匠”がそれぞれの経験に基づいて平和についての提言などを行った後、共同宣言に署名した。

 共同宣言では、原爆投下による破壊と恐怖から立ち直った広島の人びとが、復興に成功して平和な“今”を作ったことに言及。「この街がもっている精神である『許し』と、『報復はしない』と決意したことに人類すべてが注目してほしい」と訴えている。また、「すべての人がお互いに依存していることを認めることが、あなた自身の幸せだけでなく、他者の利益のためには不可欠なのです」と述べ、他者への思いやりが平和の達成の鍵となる第一歩だとした。

 最終日となった2日には、南アフリカでアパルトヘイト撤廃のために立ち上がり、1984年にノーベル平和賞を受賞したデズモンド・ツツ大主教が基調講演し、「広島の戦後史こそが、和解の実践例だ」と賞賛。同氏は「最も近い関係にある家族の中でさえも、解決すべき問題をそのままにしていることが多い。“I am sorry(ごめんなさい)”と認めることが、過去の出来事を“憎しみ”から“過ぎたこと”にできる唯一の方法である」と力を込めた。

 会議終了後、ラマ師、ツツ大主教と、北アイルランド紛争で子どもの支援を続けるベティ・ウィリアムズ氏は、同市の平和記念公園を訪れた。原爆慰霊碑で「安らかに眠ってください。過ちは繰返しませぬから」と書かれた碑を見つめ、平和を祈って献花した。【了】

2日、「広島国際平和会議2006」の閉幕後、広島平和記念公園を訪れる“平和の巨匠”3氏。(撮影:吉川忠行)

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宗教の違いを超えた「世界平和の祈りの集い」、1日夜広島で

1日夜、広島市の世界平和記念聖堂で行われた礼拝。(撮影:吉川忠行)

宗教の違いを超えて平和について考える「世界平和の祈りの集い」が1日夜、広島市中区の世界平和記念聖堂で開かれ、ノーベル平和賞受賞者のデズモンド・ツツ大主教(1984年受賞、南アフリカ出身)とベティ・ウィリアムズ氏(1976年受賞、英国・北アイルランド出身)が出席した。

 1-2日に開かれている「広島国際平和会議2006」(同会議実行委員会主催)の関連イベントとして、広島のキリスト教団体などの呼びかけで実現した。賛美歌が斉唱されたほか、チベット仏教僧による読経も行われ、聖堂に入りきらないほどの多くの人が、厳粛な面持ちで耳を傾けていた。

 ツツ大主教は「日本人も、アフリカ人も、ほかのどこの人も、さまざまな違いはあるけれど、共通点もある。食べ物がなければお腹が空くし、涙が出れば泣く」と述べ、同じ人間として共生することが平和につながるとの認識を強調。ウィリアムズ氏は「これまでの悲劇が悪い"思い出"となり、今後の警告となることを祈ります」と頭を下げた。【了】

1日夜、広島市の世界平和記念聖堂で行われた礼拝で説教するツツ大主教。(撮影:吉川忠行)

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広島でダライ・ラマ師講演

2006年11月 1日

広島でダライ・ラマ師ら講演

「世界は1つの家族」と訴え―「広島国際平和会議2006」

1日、広島市内で講演するチベット亡命政府の最高指導者のダライ・ラマ14世(撮影:吉川忠行)

ノーベル平和賞受賞者3人が集う「広島国際平和会議2006」(同会議実行委員会主催)が1日、広島市中区のアステールプラザで始まった。チベット亡命政府の最高指導者のダライ・ラマ14世(1989年受賞)などノーベル平和賞を受賞した"平和の巨匠"をひと目見ようと、約1000人の聴衆が集まった。

 ラマ師のほか、南アフリカでアパルトヘイト撤廃のために立ち上がったデズモンド・ツツ大主教(1984年受賞)と、北アイルランドで紛争のために巻き添えになった子供たちを見て立ち上がったベティ・ウィリアムズ氏(1976年受賞)が来日、広島市で一堂に会する形となった。「この世の中からすべての苦しみをゼロにしたい」という思いから、世界最初の原爆被爆国となった広島市のNGOや青年会議所が中心となって同会議を企画したものだ。

 ラマ師は基調講演で、人間だけが持つ"知性"を取り上げ、「敵という概念を作り、その敵に対するものとしての暴力が合法的に認められているがために、何千人を殺しても許される悲惨な状況がある。知性が備わっているが故に、私たちは愚行を繰り返してきた」と、人類が互いに敵対する状況を嘆いた。また、個人の幸せは社会に依存していると主張。人口増加や経済のグローバル化で世界を1つの家族と捉えなおす必要性を訴えるとともに、すべての人に思いやりを持つ大切さを強調した。

 ツツ大主教は、ラマ師が苦しい亡命生活を余儀なくされながらも、怒りや苦しみを表現しないことを称え、「本来一緒にいるべき人が分け隔てられていることが問題。ともにあってこそ、自由であり、幸福であり、人間らしくなれる」と述べた。またウィリアムズ氏は、「アメリカの同時多発テロで3000人が亡くなったことは悲しむべきだが、同じ日に貧困などで4万人の子どもが亡くなったことについて話す人はいない。食べ物がなくて苦しんでいる人を抱える国が、武器を増やしている」と語り、来場者に自分の足元だけでなく世界に目を向けて欲しいと話した。

 同会議は、2日まで。【了】

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賛美歌と読経で平和祈る

「広島国際平和会議2006」に出席したノーベル平和賞受賞者3人。(左から)ダライ・ラマ14世、デズモンド・ツツ大主教、ベティ・ウィリアムズ氏(撮影:吉川忠行)