2006年9月26日

新韓流?生放送に日本語字幕

「スカイパーフェクTV!」で10月2日から新たな試み

10月2日から生字幕放送が始まる予定の「MBCニュースデスク」。(提供:MBC)外国の生放送ニュースをリアルタイムに字幕つきで視聴――。衛星放送「スカイパーフェクTV!」で韓国ドラマや音楽番組を放送する「KNTV」(東京都港区、和賀井豊社長)が、韓国のニュース生放送番組に日本語の字幕をつけるという新しい試みを10月2日にスタートする。

 緊急ニュースなどの際に、外国の生放送ニュースをテレビ局のスタジオから同時通訳付きで放送する例はあるが、毎日の生放送にリアルタイムの字幕を付けて放送する試みは非常に珍しい。視聴者は、韓国語放送の雰囲気をそのまま感じながら、韓国語が分からなくても日本語の字幕で内容を理解することができる。

 字幕つきで生放送されるのは、韓国の3大テレビネットワークの1つである「MBC」の主力番組「MBC ニュースデスク」。放送時間は毎日午後9時から45分程度で、「スカイパーフェクTV!」加入者なら無料で見ることができる。通常の「KNTV」番組の視聴には受信契約が必要だが、同社は初の"字幕生放送"を一般開放することにした。

 ライブドア・ニュースの取材に対し、和賀井社長は「最も近い国でありながら、同じ時間に同じ画面を共有する機会はほとんどなかった。日本人と韓国人が相互理解を深めるきっかけとなってほしい」と期待を込めた。また、「海外のニュースを一部分だけ切り取って伝えるやり方はこれまでもあったが、誰かの目を通さずに全部放送するこの試みは、韓国を"そのまま"知ることにつながる」と意義を強調した。【了】

■関連リンク
KNTV

2006年9月22日

「どこでもドア」ができる?

SCE久夛良木社長がゲームショウで基調講演

22日、東京ゲームショウで基調講演するソニー・コンピュータエンタテインメントの久夛良木健社長(撮影:吉川忠行)「どこでもドアに近いものができる」――。21日から始まった「東京ゲームショウ2006」の基調講演で、ソニー・コンピュータエンタテインメント(SCE)の久夛良木(くたらぎ)健社長は、技術革新の先にある未来像について語った。

 久夛良木社長は「1983年のファミリーコンピュータ発売から約20年で、ゲーム機のプロセッサのクロック周波数が4桁、計算能力は5桁、メモリ容量は6桁も向上した」と技術革新のスピードについて述べ、「イノベーションが優れたコンテンツを生み出している」と現状を分析した。その上で、インターネットの普及について触れ、ネットワーク上に集積された巨大な計算パワーを有効利用すれば、家庭のゲーム機や携帯電話のような小さな端末でも、現在のスーパーコンピュータ並みの便利さを享受できるようになると予言した。

 同社長は、現在のインターネット環境は不十分としながらも、「この10年間より次の10年間は、はるかにおもしろくなる」とコメント。ゲーム機の特長はリアルタイム性とリアルレスポンス性でパソコンを大きく引き離しており、パソコンがメインのインターネットの世界にゲームが融合することで、PS3を初めとするコンピュータエンターテインメント業界が今後の新しいパラダイムをリードしていくと話した。

 ゲーム機の進化が開発者とユーザーの垣根を低くするということにも触れた。ユーザーが自分の周りの環境を写真や動画でアップロードして、データなどをユーザー同士で共有できるほか、これまで独自で情報を入手していた開発者が、ユーザーからの情報をもとに効率的に開発を進めていくことになるという。中でも、地図のデータベースは注目すべきアプリケーションの1つとし、「世界中の人が集めたデータを地図上で処理すれば、リアルタイムの快適さで、あちこち飛び回ることができる。どこでもドアに近いものができる」と夢を語った。【了】

■関連記事
東京ゲームショウが開幕

■関連リンク
東京ゲームショウ

東京ゲームショウが開幕

次世代ゲーム機に注目集まる

ゲーム関連の展示会「東京ゲームショウ2006」(コンピュータエンターテインメント協会主催)が22日、千葉市美浜区の幕張メッセで始まった。

 96年の開催から10周年となる今回は「新興奮。新感動。新時代」をテーマに、イスラエルや韓国など8カ国・地域から148の企業や団体が出展。未公開のソフトウェアを含めると、約650の最新ゲームソフトや関連製品が並び、出展者数、ゲームソフト数、海外参加企業数ともに、過去最大の規模となった。

 ソニーが11月に発売するプレイステーション3や、マイクロソフトのXbox360など次世代ゲーム機の新作ソフトを体験できるコーナーが、多くの来場者の注目を集めていた。また、開催10年を記念した特別展示「テレビゲームミュージアム」では、小規模ながら83年の任天堂ファミリーコンピューターなど、これまで国内で発売された機器が並べられているほか、『アイスクライマー』や『ドンキーコング』など懐かしいソフトを楽しむこともできる。

 昨年に引き続き、携帯電話用ゲームのブースも目立った。ドコモ、au、ソフトバンクが広いスペースに体験機器を多数設置。ボーダフォンのブルートゥース対応端末など、無線やネットワークを使って“複数人で楽しめる”ことを強調し、新しい楽しみ方を提案していた。

 初日の22日はビジネスデイで招待者、関係者のみが入場できる。23-24日は一般公開日で、開場時間は両日とも午前10時から午後5時まで。入場は午後4時まで。当日券は中学生以上が1200円。【了】

■関連リンク
東京ゲームショウ

2006年9月21日

旅行業が“第2の開国”をリード

「JATA国際観光会議2006」開催

21日、「JATA国際観光会議2006」で、若者に“旅行奨学金”を出す案など、海外旅行市場拡大のためのユニークな案を披露する梶明彦ジャルパック社長国内外の旅行業関係者が集い、マーケティング戦略などについて話し合う「JATA(日本旅行業協会、新町光示委員長)国際観光会議2006」(同会議・世界旅行博実行委員会主催)が21日、東京都江東区の東京ビッグサイトで開かれた。

 同会議には、世界131カ国・地域から、政府観光局やリゾートホテルチェーンなど、旅行業関係者が多数参加した。10回目の開催となる今回は、「ツーリズムにおけるブランディング」をテーマに、具体的事例をもとにしたプレゼンテーションやパネルディスカッションが行われた。

 開会式で、北側一雄・国土交通大臣は「新内閣でも観光を通じて海外との交流を拡大しようという政府の基本的な立場は変わらない。観光立国担当大臣としても2年間仕事をし、観光が新たな雇用創出など経済効果をもたらすだけでなく、観光が相互理解につながり、またそれが国際社会の平和と安定に重要かを実感した」とあいさつした。

 JALグループの旅行会社ジャルパック(東京都港区)の梶明彦社長は、日本の潜在的海外旅行市場について講演。日本人出国率(人口に対する海外旅行者数の割合)が13.6%で、台湾(36.0%)や韓国(21.1%)より低いことを指摘し、「団塊世代の旅行への意欲も高く、(同出国率は)3割程度まで伸ばせる。旅行業界が、米国ペリー提督の黒船襲来以来の“第2の開国”を率いたい」と語った。また、パスポートを全員に配布、若者に“旅行奨学金”、小学生の海外への修学旅行など、海外旅行市場を拡大するためのユニークな案を披露していた。

 併催イベントとして、海外旅行情報の提供と各国・地域の観光局などがアピールする「旅行博」が、22日から24日まで開かれる。【了】

■関連リンク
旅行博

2006年9月20日

安倍新総裁に財界は「歓迎」

経団連、同友会が「リーダーシップを期待」とエール

安倍晋三官房長官が第21代自民党総裁に選出されたことを受け、財界からも歓迎のコメントが発表された。

 日本経団連の御手洗冨士夫会長は、「しっかりと政策論争が行われた。政策本位の政治が定着しつつあり、好ましい総裁戦だった」と評価した。また、「構造改革を結実させるために、長期安定的に政権を運営することが必要」とし、自民党の団結に期待を表明した。

 経済同友会は北城恪太郎代表幹事がコメントを発表。初の戦後生まれの首相となる安倍氏に「その若さと清新さによって、改革の一層の加速に向けた力強いリーダーシップを発揮してほしい」とエールを送った。財政再建の着実な実行、成長戦略の具体化、持続可能な社会保障システムの構築や、近隣諸国との外交関係の改善などの課題について、早期に具体化することを求めた。【了】

■関連記事
安倍自民党、25日に三役人事
安倍新総裁に街の声
"総裁のイス"に座る安倍総裁
安倍氏の勝利は“人気”を反映
安倍新総裁、両院総会で正式選出
自民、安倍新総裁誕生

安倍氏の勝利は“人気”を反映

海外メディアも速報

安倍晋三官房長官が第21代自民党総裁に選出されたのを受け、海外メディアも速報で伝えた。

 英BBCは、安倍氏が選ばれた理由について“人気”を挙げた。党内だけでなく、国中で人気を博しているため、次の選挙での議席維持への期待もあるとしている。英フィナンシャルタイムズは、「安倍氏が大差で勝利したのは、小泉首相の人気に見合う唯一の政治家であるという世論を反映したもの」と分析した。また、同紙は谷垣氏が最下位となったことについて「自民党が、現状5%の消費税を2倍にする状況にないことを示している」とした。

 米ウォールストリート・ジャーナルは、総裁戦の結果は全くの予想通りだったと伝えた。増税よりも歳費削減を優先させるなど、小泉内閣の改革路線を引き継ぐ安倍氏の姿勢を紹介した。また、米AP通信は、首相になる見込みの安倍氏は「対北朝鮮強硬派で軍事積極派」であるとした。

 中国の人民日報や韓国の朝鮮日報なども総裁戦の結果を速報。安倍氏の「歴代最年少首相の記録を更新する」「初の戦後生まれの首相になる」などと報じた。【了】

■関連記事
安倍自民党、25日に三役人事
安倍新総裁に街の声
"総裁のイス"に座る安倍総裁
安倍新総裁に財界は「歓迎」
安倍新総裁、両院総会で正式選出
自民、安倍新総裁誕生

レノボ「お手頃感でブランド浸透」

20日、就任以来初の会見を行うレノボ・ジャパン天野総太郎社長天野新社長が就任会見

ノートパソコン「ThinkPad」などを手がけるレノボ・ジャパン(東京都港区)の天野総太郎社長は20日、東京都港区の東京全日空ホテルで就任以来初めての会見を行い、「ビジネスの成長を求められ、私が社長に就任した。毎年、収益を2桁成長させたい」と決意を語った。国内5-6位となっているシェアも早急に高めたいとし、「まずは2位グループのトップに、そして長期的に1位を目指す」とした。

 同社長は、同社が3月から展開しているオリジナルブランド「Lenovo3000」を軸に営業活動を強化する方針で、新聞などで積極的に同ブランドを露出させ、北京オリンピックが開かれる2008年までには認知度を9割以上に高めたいとしている。“お手頃感”で、これまでは「ThinkPad」の敷居の高さから敬遠していたユーザーを取り込む考えだ。市場や他社の動向を見て、「戦略的な価格付けをする」とも宣言していた。

 一方で、フラグシップ(最上位)としての「ThinkPad」も、引き続き提供していく。国内パソコン市場の成長が鈍化する中、「ThinkPad」は単価が高く価格下落が少ないためだ。「Lenovo3000」を同社製品の導入としながら、「ゆくゆくはThinkPadを買ってもらいたい」としている。

 天野社長は就任前、米デルで日本国内の中小企業向け事業を統括しており、その実績を評価されて今月1日に、38歳の若さでレノボ社長に就任した。【了】


■関連記事
レノボJ、向井社長が退任へ(8/17)
レノボ“価格重視”の新製品(6/6)

2006年9月15日

協和医科、公募価格1円下回る

15日、ジャスダック上場会見する協和医科器械の池谷保彦社長ジャスダックに上場、終値は430円

医療機器、介護福祉機器の販売を手がける協和医科器械<3052>が15日、ジャスダックに上場した。初値は、公募価格を1円下回る499円。一時514円まで値を上げたが、初日の終値は430円だった。

 同社は1959年に、医療機器販売事業を開始。現在は静岡を中心に一都五県に同事業の販売拠点を持つほか、介護福祉機器の販売やレンタルも行っている。また、医療・介護機関向け以外でも、突然の心臓停止時に電気ショックを与え、心臓の働きを回復させるAED(自動体外式除細動器)などを地下鉄や公共施設などに納入しているという。

 同日、東京都中央区の東京証券会館で開いた上場会見で、初値が公募価格割れしたことについて、池谷保彦社長は「業績を伸ばすことで期待に応えるしかない」と表情を引き締めた。一方で、ほぼ横ばいとなっている医療マーケットで毎年3-4%の安定成長をできる“勝ち組”にあるとし、「医薬品の卸業界と同様、医療機器業界も集約化が進む。M&A(企業の合併・買収)で、成長できる」と自信を見せた。利益の株主還元については「配当性向は2-3割が目標」と語った。

 同社の06年6月期連結決算で、売上高は483億5300万円、経常利益は6億5000万円、純利益は3億800万円だった。07年6月期の連結業績予想は、売上高が前期比2.2%増の494億3400万円、経常利益が同6.2%増の6億9000万円、純利益が同21.1%増の3億7300万円を、それぞれ見込んでいる。【了】

■関連リンク
協和医科器械

2006年9月14日

阪神子会社、ビルボードと提携

来夏から東京・大阪・福岡でライブハウスを展開

ビルボードと阪神の提携について発表する阪神コンテンツリンクの宮崎恒彰社長(右)と米VNUビジネスメディアのハワード・アップルバーム副社長阪神電気鉄道<9043>子会社の阪神コンテンツリンク(阪神CL、大阪市福島区、宮崎恒彰社長)は14日、米国の音楽ヒットチャート誌などを展開する「ビルボード」ブランドの日本での独占的マスターライセンス契約を、提供元の米VNUビジネスメディアと締結したと発表した。

 同社とVNUは、ビルボード誌の携帯電話向けサイトの独占契約をすでに結び、2005年から日本語版のサイトを運営していた。同社によると、携帯サイト運営で信頼関係が構築されたことに加え、ブルーノート大阪などライブハウス事業を16年行っている実績が評価され、契約締結に至ったという。

 阪神CLは「ビルボード」の日本での総代理店として、ビルボード.comの日本語サイトを開設し、ライブ映像やテレビ・ラジオ番組の制作などを行うほか、レストラン併設のライブハウス「ビルボードライブ(Billboard Live)」を展開する。「ビルボードライブ」は、東京・大阪・福岡で3店舗をオープンすることが決まっているが、フランチャイズを募って他の主要都市にも広げたいとしている。

 16年間続けたジャズ専門のライヴハウス「ブルーノート」との契約は解消する見込み。同日午後、東京都千代田区の経団連会館で会見した宮崎社長は「ジャズ中心のブルーノートから、全米だけでなく日本でも有名なビルボードにブランド変更し、音楽ファンの広がりや多様化に対応することで、新たな可能性に挑戦したい。10月にできる阪急阪神ホールディングスの業容拡大と企業価値向上にも役立つ」と期待感をにじませた。【了】

■関連記事
戦後初の私鉄再編が本格化(6/29)

■関連リンク
Billboard.com(英語)
ビルボード・ジャパン.com(日本語、9月15日から)

2006年9月13日

SONY、年末商戦にらみアピール

特約店向けコンベンションに見る“ハイビジョン新時代”

13日、都内で開かれた特約店向け展示会に出品されたソニーの「ロケーションフリー」に対応したモニターの試作品(撮影:吉川忠行)ソニー<6758>は13日、東京都港区の新高輪プリンスホテルで特約店とマスコミをターゲットにした年末商戦向け商品の展示会「ソニー・ディーラー・コンベンション2006」を開いた。

 マスコミ向け説明会では、ソニーマーケティング(東京都港区)の宮下次衛社長が“ハイビジョン時代の幕開け”と口を開き、薄型テレビ「ブラビア」など同社が力を入れる商品群を紹介。「ハイビジョン商品の売り上げ構成比を80%以上を目指す」と意気込みを語った。

 展示会場では、年内発売予定のブルーレイディスク(BD)レコーダーや、プレイステーション3、1000万画素を超えるコンパクトデジカメを参考出品したほか、それぞれの機器をつないだ“ハイビジョンの新しいライフスタイル”なども紹介。

 また、外出先や海外で“どこでもテレビ”を実現する「ロケーションフリー」(LF)の新商品も展示した。LFはテレビやビデオなどのコンテンツを、インターネット経由で視聴するための仕組み。映像機器を「ベースステーション」に接続すると、インターネットに接続しているパソコンや携帯ゲーム機で、遠隔地から視聴したり再生などの操作が行える。

 今年の年末商戦向け新商品には、ベースステーションの映像をテレビで受信できる「LF TVボックス」や、持ち運びしやすく、別売りの防滴ジャケットを装着すれば風呂でもテレビの視聴ができる「LF 液晶モニター」などの商品も展開を予定。これまでは、遠隔地から視聴するためにはパソコンなどに専用ソフトをインストールする必要があったが、「LF TVボックス」は直接テレビに接続できるし、「LF 液晶モニター」はそれだけで映像を見られる。パソコンなどの環境がなくてもベースステーションが送信するのコンテンツを受信できるため、例えば自宅で見ている子どもの運動会のビデオを、祖父母の家で同時に上映することも可能だ。【了】

■関連記事
年末商戦、液晶TVは大型で勝負(8/31)
ソニー、テレビ事業復活へ(8/30)
ソニー、関連企業集め発表会(8/29)

2006年9月12日

ファッションから“危機”を知る

カジュアルウエアの「チャオパニック」で、スーダンの写真を展示

スーダンのミニ写真展が開かれている原宿の「チャオパニック」若者の集まる場所で、注目されない“危機”を知らせたい――。カジュアルウエアや雑貨を扱う「チャオパニック」原宿店(東京都渋谷区)で、5月の和平協定調印後も混乱が続くスーダン西部・ダルフールの惨状を、写真とビデオで紹介するミニ写真展が開かれている。30日まで。入場無料。

 同写真展は、「チャオパニック」を展開するパル<2726>が、人権NGOのアムネスティ・インターナショナルと協力して開催している。世界最大の人道的危機と言われながら、日本ではほとんど注目されていないダルフールの人権侵害の惨状を、若い世代を中心に広く伝えるのが目的だ。

 試着室横にある待ち合いスペースに、難民キャンプの写真など15点を展示し、スーダンや隣国チャドの人権状況を伝えるビデオを上映している。また、オーガニックコットン(有機栽培の綿)で作った限定Tシャツやネックレスなどの販売もしている。試着のついでに写真に見入ったり、Tシャツのデザインが気に入って、スーダンの状況やアムネスティの活動を知る人もいるという。

 同社広報担当の井上高志さんは、「来店する人が、少しでも人権擁護に関心を持ってくれれば。初めはファッション性だけを見ていても、展示を見て興味を持つと思う。私がそうでした」と話した。

◇ ◇ ◇

 スーダン西部のダルフール地方では、アラブ民族と非アラブ民族の対立に端を発する紛争が始まった2003年から多くの人びとが家を失い、土地を追われている。複数の人道支援団体がダルフールや隣国チャドで活動しているが、同地方の情勢は改善していない。【了】

■関連記事
人道支援から平和を考える

■関連リンク
チャオパニック
アムネスティ・インターナショナル

2006年9月11日

“安倍政権”は困難乗り越える

11日、日本外国特派員協会で講演する『インサイドライン』編集長の歳川隆雄氏「インサイドライン」編集長の歳川隆雄氏が予想

国際政治経済情報誌『インサイドライン』編集長の歳川隆雄氏が11日、東京都千代田区の日本外国特派員協会で講演し、2007年7月に実施される参院選までの、ポスト小泉政権の動向について予想した。

 歳川氏は、安倍晋三官房長官が次期首相だと断定した上で、「就任直後の10月第1週に、北京を日帰り訪問して中国の胡錦濤国家主席と会談する」と予測した。安倍氏が祖父・岸信介元首相の“政治的DNA”を継いでおり、岸元首相がその就任直後に東南アジアを訪問してアジア外交重視を示したのと同様のことをすると考えているという。これにより、民主党や党内のアジア外交重視派の、安倍政権に対する批判の矛先がなくなるとした。

 閣僚人事については、対中観や靖国神社について考え方を共有しているJR東海の葛西敬之会長を、民間から外相に起用すると予想。これも岸元首相が藤山愛一郎氏を民間から外相に就任させたことにならうもので、9月26日の政権発足時には安倍氏が外相を兼務し、岸政権発足から50年となる来年2月に、葛西氏を入閣させるとしている。また、注目される与謝野馨経済財政・金融担当相や竹中平蔵総務相の入閣の可能性を否定。サプライズ人事として、小渕恵三元首相の次女・小渕優子氏を環境相に抜擢することもあるとも話した。

 安倍政権が来年7月の参院選までに退陣する可能性について、歳川氏は「ないわけではない」と話した。ただし、退陣は衆院の補選や地方の首長選などですべて敗れる“最悪の事態”が起こった場合に限られ、「(参院選で)議席維持は無理としても、自民党は多くて10議席程度減らすだけだろう」と話した。また、民主党の小沢一郎代表が重要だと主張する29の「1人区」で民主党の勝利に現実性がないことや、日中首脳会談の実現で中国との関係改善が一定程度進むことから、安倍政権が“退陣の危機”をかわせるとの見方を示した。【了】

■関連リンク
歳川隆雄のインサイドライン

2006年9月 8日

「ちえものづくり展」始まる

カメラと赤外線センサーで外出中の自宅の異常を知ることができる留守番ロボット・「ロボリア」機械産業記念館TEPIAプラザで

国内の“知恵”を生かしたものづくり技術を展示する「ちえものづくり展」(機械産業記念事業団主催)が8日、東京都渋谷区の機械産業記念館TEPIAプラザで始まった。来年7月20日まで。

 同事業団は1年ごとにテーマを設定し、製造業の動向を伝える展示をしている。今回は19回目で、匠(たくみ)の技とも言われる伝統的な「ものづくり」が、高度技術や情報力の結晶である「ちえづくり」と融合して、日本の産業の新境地を開いているとして「ちえものづくり」をテーマに設定した。

 会場には日本を代表する自動車産業の歴史がパネル展示されているほか、睡眠状態を分析し眠りの深さなどを判定する枕・「ねむり博士」や、飲み込むと消化器官を回転しながら撮影する「カプセル内視鏡」など、日常生活や医療に役立つ“ちえもの”が並んでいる。

 昨今の防犯への意識の高まりもあり、カメラと赤外線センサーで外出中の自宅の異常を知ることができる留守番ロボット・「ロボリア」には、特に注目が集まっていた。NTTドコモ<9437>の携帯電話FOMAに対応したもので、センサーがオフィスでの異常を感知して通報したり、家にいる高齢者や子どもの様子を映像で確認できる。また、遠隔操作で機械の位置やカメラの方向を変えたり、電話と同じように話しかけることも可能。

 開場時間は午前10時から午後6時まで。土曜・祝日は午後5時まで。日曜日は休館。【了】

■関連リンク
ちえものづくり展
留守番ロボット ロボリア

首相候補、そろって決意語る

自民党総裁選がスタート

自民党総裁選に立候補した(左から)麻生、谷垣、安倍の3氏=8日午後、東京都千代田区の党本部で(撮影:吉川忠行)自民党総裁選に立候補した安倍晋三官房長官(51)、谷垣禎一財務相(61)、麻生太郎外相(65)の3氏は8日午後、同党本部で共同記者会見し、決意表明を行うとともに閣僚人事などについて語った。

 安倍氏は「きちんと議論して、自民党が開かれた政党だと示していきたい。子どもたちが誇り、自信に思う『美しい国』をみなさまと作りたい。改革の炎は燃やし続けなければならず、そのための自信も覚悟もある」とアピール。

 谷垣氏は「全国を歩き、国民が多様な思いを持っていると感じた。自民党は骨・皮・筋のやせ細った政党ではなく、国民の懸念を溶かして政策を鍛える政党だと示す。『信なくば立たず』だ。結果は最後まで分からないので、全力で戦う」と述べた。

 麻生氏は「内閣総理大臣の職は、時と場合により極めて厳しい状況におかれる。そういったときの覚悟、決意、勇気を持っておかなければ。負けるつもりで選挙に臨む人はいない。開かれた国民政党として、3人がそれぞれ自分の思いを堂々とみんなの前で披瀝(ひれき)する総裁選にしなければ」と話した。

 首相に就任した場合の閣僚や党役員の人事について、3氏はそろって派閥に縛られなかった小泉首相の人事を評価。安倍氏と谷垣氏は「場合によって意見を聞きながら、最後は1人で決めたい」とした。一方で、麻生氏は人材育成などで派閥が役立つこともあると話し、“小泉以前”のやり方を復活させることに含みを持たせた。

 焦点の1つである郵政民営化をめぐって離党した議員の復党については、安倍氏が「新しい国を作る方向性に向いている方であれば受け入れたい」と話すなど、3氏は受け入れに前向きとの認識を示した。

 また、年金や社会保障の問題について、安倍氏が「治療や介護がいらなくなるよう、予防に重点を置く。質を維持して額を減らす」と語ったのに対し、谷垣氏は「国際的に見ればいい制度。(よりよい制度づくりには)血のにじむような努力が必要だろう」、麻生氏は「不安をあおるのではなく、高齢者でも元気な人に働いてもらう環境作りが必要だ」とそれぞれ持論を述べた。

 同総裁選は20日に投開票される。選ばれた総裁は、5日後の26日の臨時国会で新首相に指名される運びだ。【了】

■関連記事
自民総裁はこうして選ばれる
総裁選、安倍氏が決意表明
総裁選、早くも舌戦にのろし

2006年9月 6日

戌の日に、安産を願う

6日、水天宮には安産を願う多くの人たちが訪れていた東京都中央区の水天宮を訪問

無事に赤ちゃんが生まれて欲しい――。「戌(いぬ)の日」の6日、日本中の期待を集めた慶事の日と重なったこともあり、東京都中央区の水天宮には安産を願う多くの人たちが訪れた。

 12日に1度巡ってくる「戌の日」に、多産でお産が軽い犬にあやかって、安産を祈願するためにこの日に神社にお参りする習慣がある。多くは、安定期に入る妊娠5カ月目ごろに行う。

 秋篠宮家に男児が誕生した6日、時おり降りしきる雨の中、祈祷(きとう)を待つ人たちにもそのニュースは届いた。めでたいニュースを耳にした親子から「あなたも元気な子を産んでね」などと弾んだ声も聞こえていた。

 一方で、妻の祈祷が終わるまで、手持ち無沙汰で境内をうろつく“夫”の姿も…。記者もその1人だ。【了】

■関連リンク
水天宮

アッカなど、M2M開発の企業連合

「可能性に、市場はまだまだ気づいていない」

6日、「M2Mコンソーシアム」を発表する(左から)マイクロソフトの眞柄泰利専務、アッカ・ネットワークスの湯崎英彦副社長、ウィルコムの瀧澤隆執行役員アッカ・ネットワークス<3764>、ウィルコム(東京都港区、八剱洋一郎社長)、マイクロソフト(東京都渋谷区、ダレン・ヒューストン社長)の3社は6日、東京都千代田区の大手町サンケイプラザで会見し、さまざまな分野で使われている「機械」をITやネットワークでつなぐテクノロジーの推進と市場開発を目的とした企業連合「M2Mコンソーシアム」を設立したと発表した。

 M2Mは「Machine to Machine」の略で、コンピュータやカメラ、自動販売機、エレベータ、家電などあらゆる電子化された「機械」を通信ネットワークでつなぐことを指す。遠隔地から監視やコントロール、データ取得などを行うことができ、すでにある機械をより効率的に使えるようになるとされている。

 同コンソーシアムには、設立時点で約20社が参加を表明している。発表した3社が幹事会メンバーとなり、情報交換の場を提供したり、展示会やセミナーで活動成果を一般公開する予定だ。M2Mの基盤技術や、製造業・流通業に特化したワーキンググループの設置がすでに決まっているほか、教育、防災、環境などの分野でも検討を進めたいとしている。

 これまでも、それぞれの会社が別々にM2M事業に取り組んだ例はある。しかし、開発スピードやコスト面での課題が多く、普及が進んでいなかった。ウィルコムの瀧澤隆執行役員は「共同作業で市場のポテンシャルを大きくしたい。M2Mの可能性に、市場はまだまだ気づいていない」と、伸びる市場への期待感を語っている。

 アッカの湯崎英彦副社長によると、国内では産業用機械だけでも、年間1000万台ほど新規導入される。ITのインフラとプラットフォームを提供する3社は、コンソーシアムの設立でM2Mの認知度を上げ、新たな市場をリードしたい考えだ。【了】

■関連リンク
M2M コンソーシアム

2006年9月 5日

梱包用材のオービス、JQ上場

5日、東京証券会館で上場会見する御輿岩男オービス社長終値は公募価格を下回る1840円

梱包用材の製造・販売を手がけるオービス<7827>が5日、ジャスダックに上場した。公募価格1930円に対し、初値は1990円。初日の終値は1840円だった。

 同社は1959年の創業時に材木店から事業を始め、現在はニュージーランドからラジアータ松を輸入して国内で製材し、梱包用材やドラム用材を製造・販売している。業界で唯一、自社の専用木材運搬船を保有しており、船料相場の高騰に影響されない輸送手段を確保していることが強みという。また、木材事業以外にも、プレハブハウスの製造や岩盤浴併設カラオケ店の運営など、幅広く事業を手がけている。

 同日、東京都中央区の東京証券会館で会見した御輿(おこし)岩男社長は、初日の終値が公募価格を下回ったことについて「株価はどうにもできないから、業績を上げるしかない」と、今後の意気込みを話した。同社は現在、和歌山県に3番目の工場を作ることを計画中。同工場の稼動が始まる2008年には、梱包用材の需要増に応じて売り上げを伸ばせるとしている。

 05年10月期連結決算で、売上高が95億710万円、経常利益が5億5811万円、純利益が3億5284万円だった。06年10月期の連結業績予想は、売上高がほぼ横ばいの95億2010万円、経常利益が26.2%減の4億1186万円、純利益が37.8%減の2億1955万円をそれぞれ見込んでいる。為替差損が減収の原因。【了】

■関連リンク
オービス

王子、TOB不成立を発表

応募総数は当初予定の約10分の1

王子製紙<3861>は5日、同社が北越製紙<3865>株式へ実施していたTOB(株式公開買い付け)が不成立に終わったと発表した。応募があった株式は買い取らず、もとの株主に返還する。

 王子はTOBで北越株式の過半数取得を目指していたが、応募総数は1125万4829株(議決権ベースで5.3%)で、買い付け予定株式数1億81万8239株の約10分の1にとどまった。

 王子はTOBを8月2日から9月4日まで、1株800円で実施した。三菱商事<8058>が8月7日に北越の第三者割り当て増資に応じ、議決権ベースで約24%の株式を保有する筆頭株主となった上、王子のTOBに反対した日本製紙グループ本社<3893>が北越株を買い増し、8.85%を保有するなど、TOB実施当初から王子には厳しい情勢だった。【了】

■関連記事
北越社長、自主独立を強調(8/9)
日本製紙、北越株の取得を完了(8/8)
北越、予定通り増資を実施(8/7)

2006年9月 4日

「援助を実行、そして見せる」

WFP協会がアフリカの飢餓に関するシンポジウムを開催

4日、国連大学ビルで開かれたアフリカの飢餓に関するシンポジウムの会場国連食糧計画(WFP)のケニヤやスーダンでの活動の報告会「WFP国際貢献シンポジウム~アフリカの飢餓を考える~」(国連WFP協会主催)が4日、東京都千代田区の国連大学ビルで開かれ、同協会に賛同する企業の担当者ら約300人が出席した。

 同協会会長を務める伊藤忠商事<8001>の丹羽宇一郎会長が基調講演し、8月に訪れたケニアの食糧援助フィールドの視察について報告。干ばつで倒れる動物や、深刻な飢餓の状況の中で暮らす人びとの様子を、スライドで紹介した。

 丹羽会長は「アフリカが大変だというのは聞いていたが、話を聞いたり映像を見たりするだけでは真実は分からない。臭いが感じられない」と想像を絶する実情を“見た”成果を強調。援助を現地の人にも“目に見える”形で展開する北欧のNGOの例を挙げ、「経済が強いという印象を持たれている日本の責任として、具体的に援助を実行することが第一。その上で、態度をはっきり見せて日本のプレゼンスを上げることも重要だ」と、企業のCSR(社会的責任)活動の心構えについて語った。

 また、俳優の辰巳琢郎さんや竹下景子さんら、同協会の顧問4人がパネルディスカッションで、それぞれの思いを話した。辰巳さんは「支援したお金がきちんと使われているか分かりにくいのは確か。しかし、面白いからと言って(不正利用などの)スキャンダルばかり取り上げるのはどうか」と発言。視聴率や部数の上がる話題ばかり取り上げるマスコミに、アフリカの状況やWFPのような支援団体について、分かりやすく伝えるべきだと主張した。

 同シンポジウムの最後には、作詞家の湯川れい子さんと作曲家の宮川彬良さん作ったWFPのチャリティーソング『きずな』を紹介。ゴスペル歌手の亀渕友香さんが率いる約60人のコーラスグループが熱唱した。同曲を収録したCDは8月に発売されており、1枚あたり80円がWFPの食糧支援に使われる。【了】

■関連記事
人道支援から平和を考える

2006年9月 1日

携帯各社、MNPの前哨戦を開始

キャンペーン開始、利用者は冷ややか?

番号を変えずに携帯電話の契約事業者を変更できるサービス「番号ポータビリティ制度(MNP)」が10月24日に始まるのを前に、キャリア各社はさまざまな形で前哨戦を繰り広げている。一方で、利用者の目はやや冷めたもののようだ。

 9月1日からKDDI<9433>とボーダフォン(東京都港区、孫正義社長)が、同10日からNTTドコモ<9437>が、店頭やホームページで事前予約を受け付けるキャンペーンをスタートした。10月23日までに予約し、対象期間内に新規転入を完了した人を対象に、各社は携帯電話の利用料金などに使えるポイント2000円分をプレゼントする。

 また、各社は同制度の利用手数料を8月31日までに発表している。発表時期は異なったものの、他社からの転入手数料は無料、他社への転出手数料は2100円と、キャンペーンと同様3社が横並びとなった。契約時にかかる事務手数料はKDDIとボーダフォンが2835円、ドコモが3150円と若干高い。

 キャンペーンを利用すれば、1000円程度で他キャリアへの“乗り換え”ができそうに思えるが、実際にはもう少し費用がかかる。キャリアごとに使える端末が異なるので、新たに購入する必要があるからだ。また、長期割引などを契約している場合には、更新月以外の転出で契約解除料を支払わなければならない。

 “乗り換え”時に、持ち運べるのが「電話番号」だけというのも、大きなネックとしてとらえられている。各種調査によると、携帯電話の利用者の6割以上がMNP利用に否定的で、「メールアドレスが変わってしまう」ことへの懸念が多い。現在、各キャリアのメールアドレスは「docomo.ne.jp」「ezweb.ne.jp」「vodafone.ne.jp」などと、ブランド名を冠したものになっており、「メールアドレス」はポータビリティの対象外。音声通話よりもデータ通信の伸びが著しい昨今、メールアドレス変更のわずらわしさが、MNPを敬遠する理由にもなっている。

 さくらインターネット(大阪市中央区、笹田亮社長)のように、メール転送サービスを提供して、「メールアドレス」の仮想ポータビリティを実現しようというサービスもある。しかし、現在キャリアのブランドを冠したアドレスを使用している人にとっては、新たなメールアドレスを友人などに教える手間は変わらず、MNP普及の特効薬にはなりそうもない。

 キャリアはメールの扱いについてはほとんど沈黙したままだ。ボーダフォンのみは、MNPで転出したユーザーが再びボーダフォンに転入する場合、60日以内であれば転出前に使っていたメールアドレスを取り戻せるサービスを用意する。しかし、同サービスはMNPでの顧客離れを防ぐための、囲い込み作戦に過ぎない。

 携帯電話の契約キャリアを変えると、電話番号が変わることは不便だ。しかし、電話番号だけを変えずに済むとのサービスでは、便利とはいえないかもしれない。MNPの普及によって、利用者の選択肢が広がり、キャリア同士の競争で通信料の低下が促されると期待されていたが、「話すこと」だけが携帯電話の目的でないとすれば、MNPはなお不十分な制度と言うところか。【了】