ハタミ氏、核兵器疑惑を否定
“文明間の対話”の重要性を主張
イランのセイエド・モハンマド・ハタミ前大統領は25日、東京都渋谷区の国連大学で講演し「イランは核兵器を作るつもりは決してない。エネルギーを利用する権利はイランにも必要」と話し、核兵器開発疑惑を否定した。
ハタミ氏は、イランは核兵器不拡散条約(NPT)の加盟国で、国際原子力機関(IAEA)の監視下でものごとを進めていると強調。「欧州とすでに契約を交わした民間航空機までもが、米国の圧力で納入されない」と嘆いた。また、「100発以上の核兵器を持つ国が、非難どころか支援されているのはおかしい」と、イスラエルと同国を支援する米国を暗に非難した。
“文明間の対話”というテーマで講演した同氏は、「グローバル化によって世界状況が変化し、軍事力は物事を進ませることも、遅らせることもない」と述べ、政府間だけでなく学者や市民同士の対話も必要だと主張。対話こそが、人類が抱える小さな問題から大きな問題までを話し合い、その原因を探す助けになるとした。
“教育の共存”についてのアイデアも述べ、多くの国で戦争の歴史は教えても、平和な状態や共存の仕方については教えないことなどに言及した。また、敵ありきで“力の論理”を組み立てている政策を止め、“論理の力”に留意すべきだと提案した。その上で、ハタミ氏は「(米国は)以前は共産主義に対するものとして自らを定義し、今度はイスラムを敵とみなして、世論を団結させている。権力を牛耳るためにはやりやすい方法だが、それが過激なイスラム原理主義を表出させた面もある」と、現在の国際情勢を分析した。【了】