データを集めて環境改善へ
「自然環境GISサミット」
自然や環境の保護のためにGIS(地理情報システム)を使った取り組み事例を紹介する「自然環境GISサミット」(国土交通省主催)が31日、東京都港区の世界貿易センタービルで開かれた。全国のツバメ観察者をGISとブログを用いて組織化し、ツバメの生態に関するデータを集めた日本野鳥の会のほか、地域の環境改善と環境教育をGISで促進している4団体の代表者が、発表とパネルディスカッションでそれぞれの成果や今後の課題について話し合った。
神奈川県自然環境保全センター(厚木市)は、行政が中心となって「丹沢自然環境情報ステーション(e-TANZAWA)」を立ち上げ、市民団体や研究者らが集めた丹沢山系の自然環境に関する観察データをまとめている。調査主体により形式の違うデータもe-TANZAWAのデータフォーマットに加工し、同地域調査の現状を分かりやすく伝えることを目指す。位置情報とともに写真を登録するサービスもあり、一般の登山家が自ら撮影した写真を登録し、調査に協力することもできる。
東京都世田谷区の市民団体「せたがやグリーンマップ」は、グリーンマップシステム(米国ニューヨーク)が提唱する方式に従って環境地図を作った。共同代表の堀内正弘さんは「指摘されるまでGISを使っている意識はなかった」と話したが、試験的に始めているオンライン・サービスが、GISを使った先進事例として評価された。グリーンマップは、世界共通の125種類のアイコンで身近な環境情報・状況を表す活動で、エコツーリズムや環境教育に応用されている。現在、世界42カ国、約400地域で同様の地図が作られており、言語の違いを超えて地域環境に関する情報を共有できるという。
GISは、地図をコンピュータで扱うためのシステム。紙の地図よりも、表示、加工、データ解析、検索などが容易にでき、施設管理やマーケティング支援、カーナビなどさまざまな分野で活用されている。国土交通省は2003年4月から06年3月までの3年間、4つの分野で「GIS利用定着化事業」を推進し、専門家だけでなく一般ユーザーの利用を促していた。「自然環境分野」での実証実験の報告会として行われた同サミットに引き続き、「安心・安全分野」と「教育分野」の報告会も9月までに行われる予定。【了】
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丹沢自然環境情報ステーション(e-TANZAWA)
せたがやグリーンマップ
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