シリーズ・トップに聞く 第3回ジャルコ 北野敬之社長(前編)
「ピンジャックはシェア・ナンバーワンで、ノウハウを蓄積してきた」
AV用コネクター関連大手のジャルコ<6812>は、ピンジャックでシェア・ナンバーワンを誇っていたが、中国や台湾製品との価格競争が厳しく受注が減り、04年3月期に赤字転落した。05年3月期も黒字回復せず、社長交代で経営基盤の強化をはかることにした。4月に就任し、再建計画を実行する北野敬之新社長に聞いた。
――創業の経緯と事業内容は?
昭和31(1956)年に雪ケ谷金属として創業。自宅に工場と寮を併設して、数名で家内工業的に金属のプレス加工を始め、ハトメ(端子板の中継などに使う中空リベット)などを製造した。その後創業社長の山川義定が「これからはカラーテレビの時代だ」と、プレス加工技術を生かして一貫生産でセットメーカーへ供給する部品を作ることを決め、発展してきた。
ハトメから始まり、アンテナ端子板へ業容を拡大し、横浜の大倉山に工場建設、昭和55(1980)年に新潟県川西町に高周波回路の工場を作った。56(1981)年に創業社長が他界、現会長の山川ヤス子が継いで、創業社長と2代目合わせて50年、会社を運営した。
現在の主力製品はピンジャックをはじめとするジャック類で、営業品目の半分ぐらい。シェア・ナンバーワンをずっと維持し、ノウハウを蓄積してきた。ピンジャックというとピンと来ないかもしれないが、テレビとかDVDの赤白黄色の端子のこと。3年前までピンジャックの収益が好調で、財務体質も向上したが、前々期(04年3月期)数千万円の赤字に転落した。中国や台湾のメーカーとの競争が年々激しさを増し、販売価格が数%~10数%下落。採算が取れない状況になってきた。
シェアトップのジャルコとして負けられないとの思いがあり、コスト対策を行っている。中国・台湾のローカルメーカーと戦うために、中国工場での現地調達率を高め、一貫生産を推進するのは当然として、採算の悪化しているものに関しては中国のローカルの部品メーカーを使いながらコスト削減をしようと思っている。
また、高周波部品とも呼んでいる回路ユニットも手がけている。まだ残念ながらトータルの売上高の割合が15%程度と低いが、蓄積された技術・ノウハウをなんとか生かしながら、ニッチな分野でナンバーワンをとれるものづくりをしたい。ここ数年は、高周波分野の新製品開発に力をいれている。
――御社の特長と強みは?
日系AVメーカーのほとんどと取引があり、ジャルコという会社、ジャルコの営業マンはかわいがってもらっている。そのような良好な関係、お客様のニーズに応えられるような対応をずっとはかってきた。そういったところをより強化しながら新製品の売込みをかけていきたい。
今非常に厳しい戦いを強いられているピンジャックがこの分野で強みを発揮してきたのは、お客様のニーズに応えられるものづくりをしてきたから。お客様ごとに機能面などでニーズが異なるので、要望をきちんと聞きながら可能な限り応えてきた。生き残り、戦っていくために、顧客に満足していただくようなこまめな営業活動をしたい。
もう一つは、回路製品を今後発展させていくこと。競合の少ない分野に取り組んでいる。そういうところで強みを生かし、コスト、機能でお客様に満足してもらいたい。(つづく)
後編はこちら
【会社概要】
| 商号 | 株式会社ジャルコ |
設立 | 56年3月 |
| 上場 | 78年10月(ジャスダック上場:証券コード 6812) |
| 資本金 | 10億1000万円 |
| 売上高 | 連結78億円、単体58億円(05年3月期見込み) |
| 代表取締役社長 | 北野敬之(きたの・たかゆき) |
| 従業員数 | 連結2117人、単体168人 |
| 本社 | 東京都大田区南雪谷1-5-2 |
| 電話番号 | 03-3720-5181(代表) |
| URL | http://www.jalco.co.jp/ |
インタビュー内容を動画ニュースでご覧いただけます。