「ハードの開発だけでなく、どんなビジネスをするかが大切」

独自技術による目の残像効果を応用した発光ダイオード(LED)表示機を開発・販売するアビックス<7836>は、事業のメインである映像看板の認知度が浸透してきたのを受けて、先月21日、ジャスダックに上場した。大型ビジョンを低コストで設置することを可能にした同社の技術の特長と今後の可能性について、熊崎友久社長に聞いた。
――創業の経緯と事業内容は?
アビックスは今から16年前に、(「真っ暗なトンネルを映像空間にしたい」との発想から)走っている電車の窓に絵を出すようなことから事業を始めた。成田空港に行くトンネルで窓外に見える絵など、人間の目の残像効果を利用した表示機を開発している会社。創業者で現会長の時本豊太郎は、設立当初から残像効果を使って映すハードウェアを開発するだけでなく、そこに何を映すか、そこでどんなビジネスをするかが大切だと考えてきた。
――製品の特長と強みは?
電車が動くことで起こる残像効果を利用した表示機の次に、棒を振ることで起こる残像効果を利用した表示機を作った。その後、表示される映像を動かすことで残像効果を出すポールビジョンを開発した。さらに、静止画を表示できないポールビジョンの弱みを克服し、静止画をあえて微妙に動かすことで映像のクオリティーを上げたサイバービジョンを開発した。
強みは、今話題の発光ダイオード(LED)の使用数を大幅に減らすことができるので、コストが安く、薄くて軽いので設置が簡単で、運営・操作も簡単なこと。従来の大型ビジョンはびっしりとLEDが埋まっている。(残像効果を利用して使用個数を減らした)ポールビジョンはコストが(既存の表示機の)約5分の1、サイバービジョンは約2分の1で、重さについても同程度となる。
――前期(05年3月期)の業績は?
現在、集計作業をしている途中なので詳細は言えないが、計画では売上高で28億円弱、経常利益が約2億円。
――今期の業績予想と今後の方針は?
現在、大型ビジョンを低コストで提供できる技術を活用し、看板を映像化するというビジネスを展開している。「お客さんに来ていただく」「売り上げを上げる」という看板の本質的な目的にダイレクトにアプローチすべく、店舗のその時々の戦略を出せる映像看板を持っているのが事業の大きなポイント。
事業は3部門あり、映像看板というハードウェアを売る「情報機器事業」が最も安定感がある。2番目に、単純にハードウェアを売ることが目的ではなく、その上に成り立つソフト産業も展開することが(創業以来の)ビジネスの一つの大きな目的で、看板は「今日はこういうサービスをしている」「新しいサービスはこういうものが入りました」と訴えかけることが重要なので、コンテンツ配信にも取り組んでいる。3番目に、ハードウェアを評価して頂いて、コンポーネント(部品)を先方のブランドで出荷するという事業がある。コンポーネント事業は受注案件ごとなので、03年3月期のように大手鉄道会社向けで大きく売り上げることもあるが、事業のベースは情報機器事業。06年3月期は、売上高が45億円強、経常利益で3億円以上を計画している。
――どのような形での社会貢献を考えていますか?
看板の主な目的は店舗の売り上げを上げることと言ったが、映像を瞬時に切り替えられることは目的のチェンジが簡単にできることも意味する。看板として設置した大画面ビジョンを、緊急時には災害情報などのインフォメーションボードとして使うこともできる。
映像看板はネットワークを経由しているので、遠くからでも制御することができる。通信インフラが整っている以上は、(本社の横浜にいながらでも)災害がどこで起ころうとリアルタイムで変更ができる。【了】
【会社概要】
| 商号 | アビックス株式会社 |
設立 | 89年4月 |
| 上場 | 05年4月(ジャスダック上場:証券コード 7836) |
| 資本金 | 4億7910万円 |
| 売上高 | 27億9900万円(05年3月期見込み) |
| 代表取締役社長 | 熊崎 友久(くまざき・ともひさ) |
| 従業員数 | 35人(単体・05年3月現在) |
| 本社 | 神奈川県横浜市金沢区福浦1-1-1 横浜金沢ハイテクセンター・テクノタワー1F |
| 電話番号 | 045-780-1261(代表) |
| URL | http://www.avix.co.jp/ |
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