ブラッドフォード大学大学院 体験記
(MA in Peace Studies, University of Bradford)

反日分子で〜す


柏村参議院議員の定義によると、僕も反日分子でした。

自衛隊の派遣に正当性があろうとなかろうと、それが決まった以上、それに反対するのは反日分子なのだそうな。それでは、日本にはけっこうたくさんの反日分子がいますね。大変な国だ!

「それぞれの意思で危険な国に出かけて行って武装勢力に捕まった。これ自体が明らかに反国家的」だとも発言したそうだ。前の文と後の文はどうつながっているのだろう。外務省の危険情報が出ているところを仮に危険な国だとすると、もう外国には行けませんね。誘拐が怖いからではなく、誘拐されたら反日分子になってしまうのが怖い。

国としての決定事項に従いながら、正しいことは正しい、間違っていることは間違っていると意見を言えるのが民主主義のいいところ。柏村さんの発言は、そんなことを気にも留めていないようだ。下記のリンクにある記事には「反日の部分は理事会の結果を待つ」と後から発言したことが紹介されているが、この件について発言した直後の報道では、記者団の質問に対して発言を訂正するつもりはない、というようなことを言っていた。

こう言う人が「先生」と呼ばれながら日本の政治を動かしていると思うと(動かしてないかもしれないが)、僕は恐怖を感じる。彼は僕にとっては「テロリスト」だなぁ。

もともと無所属で当選しながらほんの三ヶ月で自分の無力さを感じて自民党に入党した人である。ほんの短い期間で自らの意思を変えてしまった人である。そして、そのことを「私の性格上、そして皆さんの期待を思うと、それは出来ませんでした」と説明している。

バランス感覚の全然なさそうな政治家として彼の顔と名前を記憶しておこうと思う。

 

人質の邦人は「反日的分子」 柏村参院議員が相次ぎ放言 (asahi.com)

人質事件にかかった費用などについて、「人質の中には自衛隊のイラク派遣に公然と反対していた人もいるらしい。そんな反政府、反日的分子のために血税を用いることは強烈な違和感、不快感を持たざるを得ない」と発言。

 

(以下、040521追加)

チョムスキーインタビュー (アーカンソー州立大学のインタビューの邦訳から抜粋)

質問:「9.11」が出版された後に、多くのリポーターはあなたが反米であると言っています。さらに、米国が主要なテロリスト国家だと思っているのであれば、あなたは荷造りして他の国に移住すべきだとも言っています。このような意見にあなたはどのように答えられますか。

チョムスキー:「反米」という概念は面白いと思います。そのような概念は、全体主義国家や軍事独裁政権でのみ使われるものです。何年も前に私はこのことに関して書きました。(私の本「レキシントンからの手紙」を見てください。)かつてのソビエト連邦では、異分子は「反ソ」として非難を受けました。それは、深く根付いた全体主義的本能を持った人々によって自然に使われている概念です。全体主義は国の政策をその社会や人々や文化と同一視しています。
一方、ほんのわずかでも民主主義的観念を持っている人々は、そのような考え方を嘲笑と軽蔑の対象として扱うでしょう。イタリアの国の政策を批判する誰かが、「反イタリア」として非難されたとしてみましょう。それはあまりにも馬鹿馬鹿しいので嘲笑の対象にすらならないでしょう。おそらくムッソリーニの政権下でもそうでしょうし、きっと他の場合もそうでしょう。  
実際そのような考え方はずいぶん昔からその起源があります。そのような考え方は、聖書の中では、悪の権化であるアハブ王が正義を求める人々を「反イスラエル」として非難するために使われています。アハブ王の具体的な標的は、予言者エリヤでした。(この"anti-Israel"ということばは、もともとのヘブライ語では"ocher Yisrael"と言い、おおざっぱに言って「イスラエルを嫌う人」あるいは「イスラエルの撹乱者」と言う意味です。)
今あなたの言及されたような人々が身を置いている伝統を検証することは興味深いことです。国の政策に反対しているから米国を去れという考えは、深い全体主義の態度表明のもうひとつの反映です。例えば、作家ソルジェニツィンは、あなたが言及されたような人々の考えによってロシアから退去させられたのです。


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